1位は医療創生大学、新卒は100%合格達成
2006年より新たに薬学部6年制が導入され、2012年より6年制としての試験が開始され、今年で10回目を迎えた薬剤師国家試験。その第106回薬剤師国家試験の合格発表が、2021年3月24日にあった。
出願者は15,680人(新卒者9,983人)、受験者は14,031人(新卒者8,711人)、合格者は9,634人(新卒者7,452人)だった。
総合格率は68.66%、新卒者合格率は85.55%という結果だった。国公立別に見ると、国立14校は81.30%(新卒者90.79%)、公立3校は83.64%(新卒者90.37%)、私立56校は67.75%(新卒者85.10%)という結果だ。
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総合格率で90%を超えたのはわずか3大学。一方、新卒者合格率で90%を超えたのは27校であった。
薬剤師合格率ランキングと偏差値との比較をしながら分析していきたい。偏差値については、取り上げるデータで違いがあるため、あくまでも参考と捉えていただきたいが、編集部で入手したデータに基づいて紹介する。
各ランキングのベスト5とそのデータを紹介しながら、少しだけ私見を述べさせていただく。
今回、総合格率で見事1位に輝いたのは医療創生大学で95.92%だ。同大学は、新卒者では100%を達成、ダブル首位を達成した。ちなみに同大学の偏差値は52、偏差値総合順位54位、私立順位37位だ。その難易度からすると、大いなる健闘と言えるだろう。
同大学は、薬学部6年制翌年の2007年4月、いわき明星大学として薬学部を設立し、2019年現在の大学名となった薬学部新設校だ。
2位(国立1位)は、金沢大学で94.74%。国立大学としては2年連続トップとなった。新卒者合格率は同大学も100%で、国立1位となった。偏差値は63、総合19位、国立11位だ。
3位(私立2位)は名城大学で92.68%(新卒者は7位`<私立5位>/97.65%)だった。偏差値は59、総合30位、私立13位だ。
4位(私立3位)は、名門の星薬科大学で88.85%(新卒者は11位<私立6位>/94.27%)。偏差値は60、総合25位、私立8位だ。
5位(私立4位)は、やはり名門の北里大学で88.26%(新卒者は26位<私立19位>/90.79%)。偏差値は64、総合15位、私立3位だった。
これらの結果で、合格率と偏差値を比較してみると、やはり医療創生大学の大健闘が目を引く。パラメディカルの教育に力を入れる同大学は、今後さらに人気が高まりそうだ。
一方、偏差値1位、72の東京大学は総合格率76.47%で34位(新卒者は31位/88.89%)。2位の京都大学は偏差値71、総合格率73.68%で40位(新卒者は57位/80.00%)と難関校ツートップは振るわない。京都大学は国立では、総合格率、新卒者合格率でいずれも最下位という結果だった。
3位(私立1位)の慶應義塾大学は偏差値70、総合合格率81.88%で24位(新卒者は33位/88.57%)。慶應義塾大学薬学部は、6年制移行2年後の2008年に共立薬科大学と収合併した。そのブランド力で難関校となっているが、上記のような順位に甘んじている。