元国税専門官ズバリ「ふるさと納税は使わなければ損」な理由

「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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「故郷に寄付」と「母校に寄付」どっちが得?

正解:豊富な返礼品が嬉しいふるさと納税はメリット大

 

日本は欧米とくらべて、「寄付の文化がない」といわれています。

 

じつは、寄付をうながすためにさまざまな税の優遇措置が設けられているのですが、それでも利用者はあまり多くはありません。私も税務職員時代に、寄付に関する相談を受けることはほとんどありませんでした。

 

ところが、「ふるさと納税」の登場によって、状況が一変しました。すでに利用されている方は実感されていると思いますが、とくにサラリーマンの方にとって、ふるさと納税は「使わなければ損」という節税方法になっています。

 

ふるさと納税は、2000円の自己負担だけで全国から魅力的な返礼品を受け取ることができるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
ふるさと納税は、2000円の自己負担だけで全国から魅力的な返礼品を受け取ることができるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

では、なぜ、ふるさと納税はそこまですごいのか。これを「故郷に寄付」と「母校に寄付」の場合に分けて検証してみましょう。

 

ちなみに、ふるさと納税は故郷以外の自治体への寄付に対しても適用されますが、ここでは「ふるさと納税」のいち事例として「故郷に寄付」と表現しました。

 

まず、故郷に寄付した場合も、母校に寄付した場合も、「寄附金控除」の対象になります。

 

寄附金控除の細かな計算方法についてはここでは触れませんが、ポイントは「寄付金額を上限金額内に収めれば、実質的な自己負担は2000円になる」というものです。

 

上限金額の計算はやや複雑ですが、ふるさと納税を扱っている「さとふる」などのポータルサイトで簡単にシミュレーションをすることができるので、利用してみてください。

 

故郷に寄付しても、母校に寄付しても、節税効果としては同じです。上限額に収めれば実質的な自己負担額が2000円に収まります。たとえば、ある人が寄付上限額以内の5万円を寄付したとしたら、4万8000円分の所得税・住民税が少なくなるということです。

 

このように、本来の寄附金控除は「国に税金を納めるよりも故郷に貢献したい」「自分を育ててくれた母校を支えたい」といったニーズに応える制度なのです。

フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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