「配当収入は確定申告すべきなのか?」元国税専門官アドバイス

「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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総所得が年間500万円の人の配当収入は確定申告する?

正解:確定申告をすれば、「配当控除」による還付金が期待できる

 

株式に投資をしていると、配当金を受け取ることがあります。この配当金は税金が源泉徴収されたうえで支払われているので、確定申告をせずに放置しておくことができます。

 

ただ、あえて「確定申告をする」という選択をすることもできます。さらに、確定申告をする場合は、「総合課税」と「申告分離課税」のどちらかを選ぶことになり、さらに所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるルールになっているので、ひじょうに複雑です。

 

配当収入は確定申告をしないことがほとんどだが、配当控除を受けられる場合があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
配当収入は確定申告をしないことがほとんどだが、配当控除を受けられる場合があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

言い換えると、配当収入がある人は、毎年「確定申告をする・しない」「総合課税を選ぶ・分離課税を選ぶ」という選択を、所得税と住民税のそれぞれについて行わなくてはならないということです。

 

まず所得税について「申告分離課税」を選ぶメリットを説明しましょう。これは、株式の売却損が出ているケースです。この場合、売却損と配当金を合算することができ、配当金から源泉徴収されていた税額が還付されます。

 

一方、「総合課税」を選ぶと、株式の売却損との合算はできなくなります。ただし、この場合は「配当控除」を受けられるというメリットがあります。配当控除の額は、配当所得の金額に対して、一定の割合を乗じて計算します。

 

ここで掛ける率は、課税総所得金額などが1000万円以下の部分については「所得税10%、住民税2.8%」、1000万円超の部分については「所得税5%、住民税1.4%」です。

 

では、これらの点をふまえて、どのような選択をすればいいのでしょうか?

 

計算の詳細は割愛しますが、所得税については「課税総所得金額が900万円を超えなければ、総合課税を選ぶ」と考えておけば大丈夫です。

 

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フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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