医学部受験専門予備校に通っていた4浪中(22歳)の学生は、他の生徒とのトラブルのせいで、少しずつ授業に来る回数が減っていました。心配した医学部専門予備校の長澤潔志氏が生徒の家に行き、顔つきを見てあることに気が付きました。

頑張ってほしいと思ってかけた言葉が子供をダメにする

私は、彼の顔を見ながら、この子の親を想像しました。固定観念が強く厳しい父親と、その夫に追従しているが息子を溺愛している母親の姿です。

 

彼と世間話をしながら、徐々に彼の心をほぐすようにその生い立ちを話させると、やはり想像どおりの親でした。彼の頭の中では、父親からは厳しさだけを感じ、母親は優しいけれど、しつこさだけが残っているという状態でした。

 

結果論かもしれませんが、父親のいわば愛のない厳しさは冷血放任主義であり、母親の優しさとしつこさは溺愛過保護主義であって、どちらも子供の教育にはマイナスのものです。

 

具体的に言うと、父親は息子の成長過程を無視した発言を繰り返す人でした。

 

「お前みたいなやつは世間で通用しない」

 

親であるあなたも通用しない時期があったでしょう。なぜ現在の自分と比較するのですか?

 

「意志の弱いやつだ」

 

親であるあなたは最初から強かったのですか? いろいろな成長過程があったから、強くなったのではないでしょうか?

 

「お前の従弟のC君はA大学(必ず一流大学)に入ったぞ!」

 

比較して評価すること自体、完全な間違いで、言ってはならないことです。差別主義を植え付けるだけでなく、上には上があることも強調されるので、どこまでやっても劣等感を持つ大人に育つ可能性があるのです。

 

そうではなくて、「どこの大学がお前に合っているか、一度、お父さんと見に行こうか」くらいは父親として努力してもいいはずです。それが愛のある姿なのです。

 

根底に愛を感じてこそ真の厳しさとなるのです。間違ってもその時の気分で怒ってはいけません。怒れば、冷血放任主義のそしりを免れません。

 

父親も母親も、子供と正面から向き合っていない。本当につらいことです。でも、このようなことが何と多くあることでしょうか。

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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