医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学受験専門予備校に通う生徒たちのゆがんだ実態について解説していきます。

過保護な教育が生み出すのは引きこもり?

過保護に育てられた子供は、自分が嫌だと思うことに直面するのを避けようとします。なぜならば、これまで嫌なことは必ず親が出てきて解決してくれたからです。それが引きこもりという結果となって現れることも少なくありません。

 

自室に引きこもれば、嫌なことに遭わずに済み、心に痛い話も聞かずに済みます。しかし、その結果、精神的にはさらに悪循環に陥り、孤独と戦うはめになるのです。

 

そして次は、自分がこうなったのは誰のせいだろうと考えだすわけです。そして、自己を正当化することによって、自分の痛みを減らそうとするわけですから、そこに他人のせいにする悪習慣が出来上がります。つまり、自分が勉強できないのは先生のせいか、学校、または予備校のせいで、そこから逃げようと考えたりするわけです。

 

実際、今、多くの予備校でそのような学生たちが全体の1割くらいはいると考えられます。引きこもりだからといって、何も何年も自室から出てこないというわけではありません。家から外に出られても、引きこもりの人間はいます。何かがあれば、すぐに自宅へ、自室へ、そして自分の殻の中へと逃げ帰ってしまうのです。

 

ところが、そうした子供を叱咤激励するのではなく、過保護な親は守ろうとします。自分の子が悪いとは考えず、学校が悪い、友達が悪いと言いだすのです。たとえば生徒同士のいざこざにまで出張ってきて、自分が解決しようとする。まさに、子供の喧嘩に親がしゃしゃり出てくるわけです。

 

実際にこんなこともありました。22歳男子学生(4浪目)の例です。

 

人と会うといつもニコッとして「こんにちは」と、とてもいい挨拶をします。一見すれば、感じのいい青年です。私も最初は一所懸命に勉強をしているなと思っていました。しかし、徐々にその正体が現れてきました。あんなに愛想がよく感じのいい子が突然、続けて何日も休んでしまうようになったのです。

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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