誰が負担する?賄いきれない「国民の医療費」に国が出した答え

国民の医療費が増え続ける今、日本の社会保障システムは破綻の危機にあります。公費と保険料を増やすことが難しいため、国は医療費そのものを抑制する様々な施策を行っています。国民や医療機関にはどのような変化、影響が及んでいるのでしょうか。※本連載は、木村憲洋氏の著書『マンガでやさしくわかる 病院と医療のしくみ』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

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<あらすじ>

主人公の橘なおみは、夫が実家の《たちばな病院》の病院長を引き受けることになったため、日本で暮らすことになった。なおみはアメリカの病院でマネージャーをしていたが、日本とアメリカとでは勝手が違う。病院長夫人となったなおみは、橘家の執事・後田から「日本の医療」について学ぶ(【⇒マンガを全部見る】)。

 

 

 

賄いきれない医療費…結局「患者の負担増」という答え

2016(平成28)年度の国民医療費は約42兆円でした。財源別に見ていくと公費が約39%、保険料が約49%、患者負担が約12%となっています。

 

日本は、過去のように高い経済成長が望めないため、公費と保険料を増やすことは難しい状況にあります。

 

とくに保険料のアップについては、被用者保険では保険料を企業と従業員が折半しているため、保険料の増加が国際社会における企業競争力の低下につながります。

 

そこで消去法として患者の負担を上げることとなります。その患者の負担割合も2000年頃から徐々に引き上げられ、これまで1割であったサラリーマンが加入する健康保険の本人負担割合は現在、3割になっています。

 

今後の方向性としては、高齢者の負担を上げる一方で、高額療養費の引き上げと混合診療の導入などにより、保険給付の範囲を縮小することになりそうです。

病院存続がかかった選択…急性期医療か慢性期医療か?

医療費の効率的な配分と機能分担を推進するため、2003(平成15)年9月に病床区分が行われました。具体的には、医療法において「その他病床」と区分していた病床を「一般病床」と「療養病床」に分離したのです。

 

一般病床と療養病床のいずれかを選択することは、ある意味、医療機関にとっては急性期医療か慢性期医療かを選択することと同義です。

 

一般的に、医師をはじめとする医療従事者は、急性期医療のために働きたいと考えている人のほうが多いものです。とくに、優秀な医療従事者ほど、急性期医療へのこだわりが大きいといえます。

 

このため、数々の全国の病院は、急性期医療を行いたいと考えてはいても、実態として慢性期医療の患者が多い病院では、療養病床へ移行するか、縮小の方向へと導かれていきました。場合によっては、病床をなくして診療所とする医療機関もありました。

 

そして、2014(平成26)年から医療法において定められた一般病床と療養病床に対して病床機能報告制度が始まりました。これらの病床を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の機能別に病院の病棟別に報告させる制度です。

 

[図表]病床機能の分化

 

この病床機能報告制度により、病院は病棟ごとの機能分化を、意識せざるを得なくなると同時に、地域における役割を意識しなければならなくなりました。

 

また、この制度は、2次医療圏単位で機能別の必要病床を、利害関係者間で話し合い、整備していくこととなります。これから、さらなる病院の入院機能の機能分化が求められていきます。

患者増・効率アップが必須…病院も経営破綻する時代

診療報酬においても、病院に対する厳しい政策が進行しています。前述した病床機能の区分において、高度急性期と急性期では、近い将来DPC/PDPS(※)という疾患や治療により、定額の支払いへの移行が必須となるかもしれません。

 

※ Diagnosis〈診断〉Procedure〈診療〉Combination〈組み合わせ〉/Per-Diem〈1日あたり〉Payment〈支払い〉System〈システム〉の略。疾病別の1日あたりの包括支払い方式

 

DPC/PDPSは、全国の医療機関と医療の質や治療の効率性を競争し、かつ症例数を集めなければ生き残ることはできないしくみとなっています。

 

回復期の機能についても、リハビリテーションのアウトカムが重要な指標となります。リハビリテーションは結果がすべてとなります。慢性期の機能については、医療依存度が高い患者を中心とし、医療依存度が低い患者については、在宅医療や介護サービスへの移行をしなければ、診療報酬による支払いは厳しくなります。

 

 

木村 憲洋

高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療情報学科 准教授

 

 

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高崎健康福祉大学 健康福祉学部医療情報学科 准教授

1971年栃木県足利市生まれ。

1994年武蔵工業大学工学部機械工学科卒業後、民間病院を経て、現在、高崎健康福祉大学・健康福祉学部医療情報学科准教授。

【主な著書】
『病院のしくみ』『医療費のしくみ』『薬局のしくみ』『看護のしくみ』
(すべて日本実業出版社刊、共著)
『病院経営のしくみ』(日本医療企画刊、共著)

著者紹介

連載マンガでわかる病院と医療のしくみ

マンガでやさしくわかる病院と医療のしくみ

マンガでやさしくわかる病院と医療のしくみ

著:木村 憲洋
シナリオ制作:ユニバーサル・パブリシング
作画:山中 孝二

日本能率協会マネジメントセンター

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