わが子が幸せになるためには、2つの「じりつ」が大切である……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏が、子育てで大切な「自立」と「自律」について解説していきます。

自立と自律がなければ人生が人任せに

自律の心が育っていないと、「人と同じ」であることに重きをおいた生き方をするようになります。「みんなが持っているから」「友達がやっているから」という表現は、自律の対極にある言葉だと思ってください。

 

人と同じであることが良いと思い込んでしまうと、「自分はこう思う」と主張できないばかりか、自分の価値観を見失ってしまうことにもなります。

 

こうした「自分の考え」を持てない子が、最近、保育園や幼稚園の現場でも顕著に増えてきており、「何をやりたい?」「どれが好き?」と子どもたちに尋ねたときに「どれでもいい」と答える子が目立つようになってきました。

 

自律の心が育たず、「人任せ」「自分の意見がない」「人に流される」が当たり前になってしまうと、上の人間や大多数に従順でいることが「ラク」に感じるようになります。

 

その結果、強い人に言われたことを断れず、いつしかいじめに加担をしていたり、非行グループの手伝いをしていたり、違法薬物に手を出してしまったりなど、気づいたときには自分では止めることのできない悪い流れに乗ってしまうこともあります。

 

自分がされて嫌なことはしない、必要に思えたことは人の目を気にせず実行するなど、至極当たり前のことが、自律の心の育ちに関係しているのです。

「押しつけ」と「先回り」はやる気を奪う最悪の子育て

子どもの自立と自律を阻害する、具体的な子育ての例をいくつかあげてみましょう。

 

代表的なものとして、「押しつけ子育て」があげられます。子どもの意思に関係なく、親の方針で、習い事や学習塾に通わせるのは、もっともわかりやすい例でしょう。

 

習い事そのものが悪いとは言いませんが、ほかの子がやっている、周囲で流行っている、将来必要そうだからなど、親側の理由だけで通わせてしまうと、子どもにとっては「親の言うことをきく」ことの一つにしかなりません。

 

もしサッカーを習わせるなら、実際にプロの選手のプレーを観戦に行ってみる、親子で冬の寒い朝や、夏に太陽の下でドリブルの練習をしてみるなど、子どもの五感を使わせて、これからやろうとしていることがどういうものなのかを感じさせてください。

 

それでも「やってみたい」と子どもが意思表示をしたら、いくつかの教室を見学したり、体験させてみましょう。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「良い指導者がいる」「強いチーム」「ママ友の子どもが通っている」といった大人の目線ではなく子どもの感性で「どこが良いのか」を選ばせてあげましょう。

 

見学先を選ぶ時点で、ある程度親のメガネには叶った教室でしょうから、選択した理由がなんであれ「自分で選んだ場所だから、最低でも〇カ月は頑張ろうね」と約束させるようにします。

 

この「自分で選んだ」というところがポイントです。どんなことでも、どんな場面でも、子どもに選択権を与え、それを尊重する。そこに親もぶれないことが大切です。

 

 

山﨑 拓史

学校法人山崎学園理事長

 

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わが子が幸せになるために必要な3つの力

わが子が幸せになるために必要な3つの力

山﨑 拓史

幻冬舎MC

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