「義姉さん、お願い!」長男の嫁、会社存続をかけ決意の土下座

日本で亡くなる人は、年間130万人。亡くなる人の数だけ相続がありますが、お金が絡む話にはトラブルはつきものです。今回は社長を継いだ長男と長女・次女の間で起こったトラブルについて、山田典正税理士が解説します。

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社長急逝で3人きょうだいに株式が分散

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA
[登場人物]

・父(故人)…二代目社長
・長女
・次女
・長男(末っ子)…三代目社長
・Aさん(長男の妻)

 

「義姉たちは昔から気が強くて……」

 

そう話すのは、先代から事業を継いだ三代目社長の奥さんのAさん。社長は、3人きょうだいの末っ子の長男。上に姉が二人いました。

 

「ふたり(=義姉)の旦那さんも会社を経営されていたんですが、あまり上手くいっていなくて……よく義父に無心に来ては、言い合いになっていました」

 

そんな義姉とは、一線をひいた親戚づきあいをしていたというA子さん。そんなとき、義父が急逝し、夫が三代目社長に就任したのです。元々、跡を継ぐつもりで準備を進めていたので、そこまで混乱することはなかったと言いますが、問題はそのあと。近年のIT化などでビジネス環境が急激に変化し、会社の業績は悪くなるばかり。

 

「会社を潰すわけにはいかない!」と三代目は、そう言って奮闘したそうです。そんな努力が実って、上手く社会の変化に対応し、業績も何とか安定させることに成功しました。

 

しかし、Aさん一家にさらなる悲劇が襲い掛かります。三代目にがんが見つかったのです。それも進行性のもので、発見した頃にはすでに治療も難しい段階に差しかかっていました。

 

ショックを受けるA子さんに、「病気になってしまったものは仕方がない。でも、代々受け継いできた会社を潰したくないんだ」と三代目は眉をさげてこう話したと言います。

 

その言葉を聞いて、A子さんは途方に暮れてしまいます。義父が亡くなった時、会社の株式は姉弟で均等に三等分していたのです。会社の経営に支障が出てはいけないと、「現金や不動産はともかく、会社の株は社長である長男が一括で相続するべきでは」と説得しても、長女や次女が納得しなかったのです。

 

「父さんの遺産をきょうだいで均等に分けるのは当然のことじゃない(義父より先に義母は他界)。大丈夫、安心して。会社の経営に首を突っ込んだりはしないから」と姉2人は主張。確かに会社の経営に口を出すようなことはなく、今まで大きな問題は起きませんでした。しかし先行きが不透明になった現状で、今後どんなトラブルが発生するか分かりません。

 

「生きているうちに、株式を自分に集約させたい。姉たちの説得に力を貸してほしい」と夫はA子さんに頭を下げます。もちろんA子さんは協力を約束しましたが、不安で仕方がありません。長女と次女が素直に首を縦に振るとはどうしても思えなかったのです。

 

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アンパサンド税理士法人/アンパサンド株式会社 税理士/経営心理士

大学を卒業後に税理士試験に専念した後、平成20年1月に都内大手税理士法人に就職。 個人や中小同族会社の税務相談や経営周り全般の相談から大手上場企業の税務相談まで幅広い分野で活躍。事業承継、組織再編、連結納税、国際税務、事業再生と多岐に渡るコンサルティング実績がある。また、相続申告業務についても多数の実績を有する。
平成27年1月 山田典正税理士事務所として独立。独立後も、補助金支援において創業補助金採択、ものづくり補助金採択の実績を有し、生産性向上設備投資促進税制の申請支援、資金調達支援、事業承継支援、上場企業の税務顧問等、多数の実績を有する。
平成30年1月、社名をアンパサンド税理士事務所に変更
令和元年10月、アンパサンド税理士事務所より組織変更

著者紹介

連載まさかの「相続トラブル」税理士が解説

※本記事は、編集部に届いた相続に関する経験談をもとに構成しています。個人情報保護の観点で、家族構成や居住地などを変えています。

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