弟の最期のお願いに「NO」を突き付ける2人の姉
姉弟の話し合いの席を設けた際。姉の第一声はある意味で予想通りのものでした。
長女「株式の集約? 別にいいけど。それで、譲渡金はいくら出してくれるの?」
長男「会社の経営状況を鑑みると、出せるのはこれくらいで……」
然るべき計算をすると、譲渡金は会社の現状ではとても賄えない額になってしまいます。そのような状態も含めて長男は丁寧に説明しましたが、姉2人が納得する様子はありません。それどころか「そんなはした金しか出せないなんて馬鹿にしてるの!?」と怒り心頭です。
そんな長女・次女の様子に長男は落胆し、話し合いもいったんは決裂となりました。「弟が死にそうになっても、姉さんたちは変わらないんだね」と寂しそうにつぶやく長男の姿を見て、胸がつぶれそうだったとAさん。
その後、長男は入院。病状はみるみるうちに悪化の一途を辿り、やせ細っていきました。しかし病床のうえで長男が語るのは会社のことばかり。「このままじゃ死んでも死にきれない」と。そしてAさん、決意します。
「私が何とかするから」
後日、Aさんは2人の姉を長男が入院する病院に呼び出しました。Aさん、病院のエントランスで2人を待ちます。
Aさん「ご足労おかけして申し訳ありません」
長女「お見舞いにこないといけないと思ってたし、ねぇ?」
次女「そうよ。夫が突然がんになっちゃって大変でしょう? それで、長男の調子はどうなの?」
Aさん「ひどく痩せてしまって……この一ヵ月後が山場だそうです」
長女・次女「そんなにひどいなんて」
Aさん「こんな状況なので、夫に代わりお願いさせてください。どうか、会社の株式を100万円で譲っていただけませんか?」
長女・次女「こんなところでお金の話!? それに100万円なんて……」
姉2人がそう眉を寄せた瞬間、Aさんは驚くべき行動に出ます。多くの人が行き交う病院のエントランスで、突然土下座をしたのです。これにはさすがの長女・次女も顔色を変えました。
長女・次女「ちょ、ちょっと、やめてよ! こんなところで!」
Aさん「お願いします! もう夫に時間は残されていないんです! どうか株式を譲ってください!」
涙ながらに何度も額を床にこすりつける姿に、姉たちは動揺を隠せません。周りの人たちの注目も集まり、最終的に2人の姉はAさんの申し出を受け入れました。
「あのときは必死で…ドラマみたいなことしちゃった」
いま会社はAさんが代表に。古参の社員が、しっかりと支えてくれているそうです。
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