日本で亡くなる人は、年間130万人。亡くなる人の数だけ相続がありますが、お金が絡む話にはトラブルはつきものです。今回は40歳差の「年の差婚」、その先に潜む相続トラブルのリスクについて、山田典正税理士が解説します。

バツイチ子持ち…婚活パーティで出会ったのは

3人の子宝に恵まれながらも、金使いの荒い夫に悩んでいたというAさん。結局、10年で結婚生活は破綻しました。Aさんが負債をおうことはありませんでしたが、養育費などもらえることなく、離婚後の生活は非常に困窮したといいます。

 

Aさんは結婚後に専業主婦になっていたため、フルタイムで再就職を目指しましたが、職選びに難航。パートタイムの仕事をいくつもかけもちして、なんとか暮らしていく……そんな生活が何年か続いたそうです。疲れ果てたAさん。結婚はこりごりと思っていましたが、再び、結婚に助けを求めるようになったそうです。

 

「婚活パーティに参加することにしたんです。そこで出会ったのがBさんでした」

 

Aさんははにかみます。Bさんは長年連れ添った妻を亡くし、心の穴を埋めるようにパーティに出席したのだとか。Bさんとはすぐに意気投合しましたが、気になったのが歳の差。

 

「Bさんは75歳、私は35歳。年の差が40もあって」

 

Bさんは1代で財を成したやり手の事業家で、すでに経営からは退いていますが、かなりの財産を持っていました。Aさんがそのことを知ったのは、知り合ってからだいぶ経ってから。

 

「Bさんといると穏やかな時間を過ごすことができ、心のよりどころになっていました。それまで会うときは外だったので気づかなかったのですが、ある日、Bさんの自宅に招かれて……あまりの豪邸でビックリしました」

 

周りから見たら玉の輿…(※写真はイメージです/PIXTA)
周りから見たら玉の輿…(※写真はイメージです/PIXTA)

 

玉の輿などと揶揄する知人もいましたが、その前にBさんの人柄に強く惹かれていたAさん。一方、経済的な面を知らずに自分を慕ってくれるAさんに、Bさんも強く惹かれたのでしょう。ある日、Bさんから正式なプロポーズがあったそうです。

 

「まだ若いあなたの重荷になってしまうかもしれません。それでも、あなたと一緒に生きたいと思いました」

 

そんなBさんのプロポーズに、嬉しいながら戸惑いもあったといいます。

 

「結婚願望があるからこそ婚活パーティに参加したんですが、実際にプロポーズされると『本当に私でいいんだろうか』という考えが頭をよぎってしまって」

 

そんな気持ちを素直に口にすると、Bさんは「焦ることはない」と笑ってくれたそうです。そんな優しさにさらに心打たれて、AさんはBさんと再婚する決心をしました。ただどうしても気になることが。

 

「端からみれば、私なんて、財産目当てにすり寄った女にしか見えないでしょ」

 

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※本記事は、編集部に届いた相続に関する経験談をもとに構成しています。個人情報保護の観点で、家族構成や居住地などを変えています。

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