安値圏にあるフィリピン株式市場だが…
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このように、景気回復見通しが先送りになる中、フィリピンの株式市場は年初来9.9%減とかなりの安値圏に止まっている。
PER平均は2020年決算ベースで17.6倍。過去5年間の平均値と比較すると、PSE指数(30銘柄)の過去5年間の平均PERは18倍程度なので、わずかに割安という水準だ。2021年はほとんどの主要銘柄で大幅増益予想を発表している。
当面の市場の見通しとしては、ロックダウンの再開、ワクチン供給の遅れにより軟調な状態が継続すると見られている。
また3月24日、フィリピン2番目のリート「ダブルドラゴンリー(DDMPR)」が上場した。中央銀行会議が3月25日開催、そして法人税減税法案が3月27日に議会通過。「DDMPR」は147億円もの資金調達に成功した。DDMPR社によると、5万人以上がIPO公募を申し込んだという。
米国が利上げを行う可能性があるなか、フィリピンペソへの下押し圧力がある。ペソ安は輸出企業やOFW(海外で働くフィリピン人)の国内送金、さらにはフィリピンの主要セクターであるBPO企業にとっては競争力を高めるプラス材料となる。
現在のフィリピン中央銀行(BSP)のスタンスは経済回復優先で、金利を200ベースポイント以上引き下げた。BSPが今年中に基準金利を引き上げることはないだろう。これにより、今年度法人税を30%から25%に引き下げ、さらに2027年までに毎年1%ずつ下げていき最終的には法人税を20%まで引き下げ、景気回復への後押しをする政策だ。
フィリピン株式で最注目銘柄は?
注目銘柄は、高配当かつパンデミックの中でも比較的高い収益を上げているインフラ関連銘柄「TEL」「グローブ社」「メラルコ社」。割安銘柄としては、PBRが1倍以下の銘柄「メトロバンク」「セキュリティ・バンク」「GTCAP」「MPI」「LTG」「DMC」。
次に、今フィリピン株式市場で最も注目されている銘柄の一つ新規参入通信会社「DITO テレコム」の現状について記載する。同社は3月初旬に正式なオペレーションを開始した。現在は主にビサヤとミンダナオの2つの地域を中心に、まだ国内の一部の地域での運用にとどまり、今のところ、マニラのあるルソン島ではまだ活動していない。実際、技術監査では、少なくとも人口の3分の1をカバーする能力があり、今後5年間で少なくとも人口の75%をカバーする能力があることが示されている。
しかし、今の所すべての携帯電話に対応しているわけではなく、「DITO テレコム」のSIMカードが使える携帯電話は一部に止まっている。iPhoneはまだ「DITO テレコム」のネットワークに対応していないが、いずれは対応させてサービスを利用できるようにする予定だ。
同社は、操業開始から5年目で利益計上する計画。ディスカウントキャッシュフローにおける目標価格が10.30ペソから12ペソの間にあるので、現在の株価(3/24終値9.8ペソ)では、もう少し上押し圧力があるだろう。期待先行で19ペソまで急騰した後、10ペソレベルに戻ってきましたので、今後数年間で同社が事業計画を着実に実行できるかどうか注視したいところだ。
フィリピン株式市場最大のIPOの申請
最後にフィリピン株式市場最大のIPOの申請があった。「モンデニッシン」という食品メーカーで、上場規模約1300億規模のユニコーン企業。インスタントラーメン、菓子類など幅広い加工食品を製造していて、それぞれの製品市場で50%を超える市場シェアを持つガリバー企業だ。
これからも堅調な人口増加が続くフィリピンでは、大いに期待できる銘柄として、今から大変大きな関心を持たれている。またこの会社は、イギリスの代替肉メーカーを買収して、これから急速な市場拡大が見込まれる代替肉事業も展開しているので、大きなアップサイドも狙える安定+急成長の両方狙える銘柄だ。まだ正式な公募売り出しの日程は決まっていないが、近々上場予定だ。
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