買うときは「投資信託説明書」でファンドの特色を見る
「投資信託」という言葉を聞いたことはあるけれども、よくわからないという人は多いと思います。実は、投資信託は単なる「箱」です。そのため、なかに何が入っているかが大切です。
たとえば、「日経平均株価」を構成する225銘柄が入っている投資信託もあります。また、アメリカの株価指数「ニューヨークダウ」を構成している銘柄が入っている投資信託もあります。さらに、国内の株式や債券、海外の株式や債券が全部まとめて入っている投資信託もあります。
そして、投資信託のなかに何が入っているのか、どういう考え方で運用されているのかを見るのが「投資信託説明書(交付目論見書)」です。投資信託を買うときは、まずはこの書類に目を通すようにしましょう。
一例として、「ひふみ投信」という投資信託の投資信託説明書を見てみましょう。
一番最初に、「ファンドの特色」という欄があります。 ひふみ投信のファンドの特徴を見てみると、
特色①:国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資をします。
とあります。国内外、つまり日本の株だけでなく「海外の株」も対象にし、割安と思われる銘柄に長期で投資をするのがひふみ投信の考え方です。
さらに、
特色②:株式の組み入れ比率は変化します。
とあります。この2つの特色を見るだけで、ひふみ投信はどのような銘柄がなかに入っているのか、どういう考え方で運用されているのかがわかります。
もう一つの例をご覧ください。「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の投資信託説明書のなかの特色を見ると、
特色①:S&P500指数に連動する投資成果をめざして運用を行います。
特色②:主として対象インデックスに採用されている米国の株式に投資を行います。
特色③:原則として、為替ヘッジは行いません。
とあります。この3つの特色を見るだけで、この投資信託は「S&P500指数に採用されている米国の株式に投資をする商品」であることがわかります。
ちなみに、この投資信託には値段があります。この値段は、先ほど紹介したeMAXIS Slim米国株式(S&P500)であれば、米国の株式500銘柄のなかに入っている銘柄の全部の値段から1日1回算出します。
これが、投資信託の値段「基準価額(きじゅんかがく)」です。私たちは、この基準価額で投資信託を売買します。投資は安く買って高く売れば利益が出るので、この基準価額に注目しましょう。
また、投資信託の「分配金」についても解説しておきます。
預金の利息の場合は、元本に対して利息(投資信託でいう分配金)が出て、元金は変わりません。しかし、投資信託の分配金は基準価額から支払われます。たとえば、基準価額が1万円の投資信託が100円の分配金を出したとすると、1万円-100円で基準価額は9,900円になってしまいます。
そのため、投資信託で大きく元金を増やしたい場合は、分配金が頻繁に出る投資信託はおすすめしません。ご自身の運用目的に合った投資信託を選びましょう。
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