「老後2,000万円問題」がメディアでよく取り上げられますが、実際にいくら足りないのか、実感がない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は「ねんきん定期便」を使って、老後に必要な金額と受け取れる金額を計算する方法を、株式会社WealthLead(ウェルスリード)代表取締役シニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。

「老後に必要な金額」を計算する方法

老後資金がいくら不足するか計算してみる(※写真はイメージです/PIXTA)
老後資金がいくら不足するか計算してみる(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「老後2,000万円問題」を覚えていますか? 公的年金だけでは2,000万円足りないという内容の問題です。しかし、2,000万円というのはあくまで平均の話です。

 

そこで、実際にお金が足りるのか足りないのか、計算をしてみましょう。

 

誕生月に年に1回送られてくる「ねんきん定期便」をお手元に用意していただくと、より正確に計算できます。

 

赤丸の「これまでの加入実績に応じた年金額の(1)と(2)の合計」(50歳未満の場合)もしくは「老齢年金の種類と見込み額(年額)の(1)と(2)の合計」(50歳以上の場合)を見ると、将来、公的年金がいくらもらえるかが出てきます。

 

ねんきん定期便でチェックする箇所
ねんきん定期便でチェックする箇所

 

次の計算式の「月間生活費」の欄に、おおむね現役時代の70%の数字を当てはめてください。

 

 

なぜ70%なのかというと、現在子供がいる世帯で子供が巣立つと、老後の月間生活費がだいたい70%くらいになるというデータからです。たとえば、月間30万円の生活費がかかっていると、70%を掛けて、21万円という数字を入れてみてください。

 

ただし、現在独身の方で、今後も単身だと思われる方は、現在の生活費の90%ぐらいの金額を入れてみてください。この数字を12倍にすると、1年間の生活費が出てきます。

 

次に「生活年数」の欄に数字を入れてください。

 

 

ここには、男性は90歳、女性は95歳から、自身がリタイアすると想定される年齢を引いた数字を入れてください。たとえば、65歳でリタイアするという想定であれば、男性なら25年、女性であれば30年といった具合です。

 

次に、「その他費用」の欄です。

 

 

ここに記入する金額は、それぞれ異なります。住宅ローンの返済がまだ残っている方であれば返済金額、リフォームを検討している方はその金額(平均200万円~250万円)を入れてください。

 

それに加えて、介護費用あるいは老人ホームへの施設の入居金、車の買い替え費用など、通常の生活費以外にかかると思われる費用を入れてください。

 

以上の計算から、老後に必要な金額の総額がわかります。

 

 

 

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