国が投資を後押しするために作った非課税制度に「一般NISA」や「つみたてNISA」があります。今回は、この2つの制度の違いや選び方を、株式会社WealthLead(ウェルスリード)代表取締役シニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。

「NISA」は、売買益などが非課税になる税制優遇制度

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

NISAは「少額投資非課税制度」といい、言葉の通り、少額の投資で得られた売買益、配当金、分配金が非課税になるという制度です。通常、有価証券あるいは投資信託に投資すると、利益に対して20%分の税金が取られますが、NISAを使うと非課税になります。

 

このNISAには、次の3種類があります。

 

●一般NISA

●つみたてNISA

●ジュニアNISA(2023年に廃止)

「一般NISA」と「つみたてNISA」の違い

一般NISAとつみたてNISAは、どちらか一方、1人1口座しか持てません。概要をまとめたのが、【図表1】です。

 

仮キャプション
[図表1]一般NISAとつみたてNISAの概要

 

利用できるのは、両方とも日本に住んでいる20歳以上の方です。

 

しかし、対象商品が異なり、一般NISAでは株式やREIT(不動産投資信託)にも投資できます。一方、つみたてNISAは、金融庁が指定した投資信託とETF(上場投資信託)に限定されます。

 

また、非課税になるのは売買益、分配金、配当金で同じですが、それぞれ非課税の上限が異なります。一般NISAは毎年120万円(最長5年間)までが上限で、最大600万円までの投資が非課税になります。一方、つみたてNISAは、毎年40万円(最長20年間)までが上限で、最大800万円までの投資が非課税になります。

 

さらに、投資可能期間は、一般NISAは2014年~2023年までで、つみたてNISAは2018年~2037年までと異なります。しかし、法改正で両方とも期間が延長になります(後述)。

 

2つの制度の大きな違いは投資方法で、一般NISAは積立投資も可能ですが、自分でタイミングを図って行う一括投資も可能です。ただし、つみたてNISAは積立投資のみです。

 

なお、売却(解約)は、両方ともいつでも可能です。

 

留意点は、一般NISAとつみたてNISAは、それぞれ金融機関の変更は可能ですが、年単位での変更であることです。つまり、現在使っている金融機関を1年間のうちに何度も変えることはできないので、どこで口座を作るかは慎重に決める必要があります。

 

また、両方とも、年間で損失が出た場合、他の一般口座あるいは特定口座との損益通算ができないことにも留意しておきましょう。また、売却しても、その年の投資上限額が回復するわけではないので、ご注意ください。

 

 

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