なぜ投資家は「利益確定」を急ぎ、「損切り」は躊躇するのか?

株式投資で利益をあげるには、「利益を伸ばして損失は小さく」がセオリーとされています。しかし、含み益が出ると喜んですぐに売却して、含み損が出ると元の株価に戻るまで我慢して損失を拡大させてしまう傾向があります。なぜ投資家はこのような行動をとってしまうのでしょうか? 株式会社WealthLead(ウェルスリード)代表取締役シニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。

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投資では、感情が邪魔をすると合理的な判断ができない

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

米国のダルバー社が調べた、株式と債券の代表的な指数と、その投資信託を保有していた人の平均的なパフォーマンスを比べたものが、[図表1]です。

 

[図表1]代表的な株価指数と、その投資信託の運用成績比較

 

株式にしろ、債券にしろ、投資家のパフォーマンスは、指標よりもはるかに劣っていることがわかります。この差を「行動ギャップ」といいます。なぜこのような結果になってしまうのでしょうか?

 

それは、投資では「感情が邪魔をするから」です。人間は感情で動く生き物であって、ときに非合理的な行動をとってしまいます。

 

たとえば、今10万円が手に入ったとします。ところが、10万円を手にした経緯が異なると、考えることも違ってきます。

 

例を挙げて説明すると、この10万円は競馬で勝ったお金だとします。その場合、「ギャンブルで勝ったお金だからパッと使っちゃおう!」と思うかもしれません。一方、帰省したときに大好きなおじいちゃんからお小遣いでもらった10万円だとしたら、「おじいちゃん、ありがとう! 大切にするね。」と考え、何に使うか悩むに違いありません。

 

合理的に考えればどちらも同じ「10万円」ですが、手にした経緯によって価値は異なります。このように、心のなかでお金に色をつけて判断してしまうことを「メンタルアカウンティング」といいます。

 

もう一つ例を挙げて説明します。

 

人間は、安全あるいは安全と思われるものを求めて、人と同じ行動をついとってしまいます。たとえば、並んでいるラーメン屋さんと並んでいないラーメン屋さんのどちらに入りますか?

 

多くの人は、並んでいるラーメン屋さんに入るでしょう。あるいは、レストランに行ったら一番人気のメニューを食べませんか? 人間は他の人と同じ行動をとることで安心します。これを「群衆心理によるハーディング現象」と呼びます。

 

2009年のリーマンショックは、まさにこのハーディング現象による「サブプライムローン」の購入が原因の一つと言われています。みんなで渡れば怖くない、といった状況が大暴落を引き起こしたきっかけと考えられます。

 

また、ビットコイン(暗号資産)が話題になったとき、まったく知識のない人も我先に飛びついたのではないでしょうか? その結果、「高値掴み」になってしまった人もいるでしょう。これも、ハーディング現象によるところが大きいと思われます。

 

さらにもう一つ、例を見てみましょう。これからお金に関する質問します。2択の質問なので、あなたはどちらを選ぶか考えてみてください。

 

A.無条件で1万円がもらえる
B.コインを投げて表が出たら2万円がもらえるが、裏ならお金はもらえない

 

さて、あなたはどちらを選びましたか? 実はこの質問に対しては、多くの人がAの「無条件で1万円がもらえる」を選びます。

 

では、1万円を手にできたところで、もう一つ質問します。

 

A.コインが表なら更に1万円、裏が出たら手元のお金はすべて没収
B.コイン投げは行わない

 

さて、今度はどちらを選びましたか? 今度は多くの人がB「コイン投げは行わない」を選びます。

 

このことを、「プロスペクト理論(損失回避性)」と言います。人間は利益が出る可能性があるときは、利益が手に入らないことを避けようとします。そして、損失が出る可能性があるときは、損失を避けようとするのです。

 

この損失回避性によって、株式投資であれば、買った銘柄の株価が上がったときは早めに利益確定の売りをしがちです。また、値下がりして評価損を抱えてしまったときは、なかなか損切りができません。

 

このように、人間は合理的な判断を感情が邪魔をしてしまう生き物なのです。

 

では、投資で成功するにはどうすればよいのでしょうか? 筆者からのアドバイスは、次の3つです。

 

●短期的な値動きに一喜一憂しない
●長期的な投資を心掛ける
●投資の目的を定め、目的達成にフォーカスする

 

それでも感情に左右されてしまう人は、間違った行動をとらないように、冷静にアドバイスをしてくれる人を見つけるか、次に説明する毎月一定の金額を積み立てる「ドルコスト平均法」で運用することをおすすめします。

 

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株式会社WealthLead
代表取締役
シニア・プライベートバンカー

1965年神戸市生まれ、千葉県松戸市出身。小学2年生から國學院高校時代までは剣道、信州大学経済学部入学後は夏のバイク、冬のスキーに没頭。

1988年4月、新日本証券(現みずほ証券)入社。生まれ故郷の神戸支店を皮切りに営業店、本社営業企画部門と人事部門、グループ会社での金融プロフェッショナル教育に従事。横浜西口支店等、4店舗の支店長も務める。

2度の合併(2000年新光証券、2009年みずほ証券)はあれど、30年に渡る証券マン人生の大半を富裕層個人と中小企業の資産運用、M&A、IPOに携わる。

駆け出しの頃に飛び込みで開拓したお客さまが後年上場を果たし、そのカッコいい姿を見て「いずれ俺もああなりたい!」と起業を夢見るようになる。

2011年の東日本大震災を目の当たりにして、「やりたいことに挑戦しないまま死んだら絶対に後悔する!」と若いころからの夢である起業を決意。2017年12月末みずほ証券を退職、2018年3月、53歳の時に創業。

全国205名(2021年3月現在)しかいない、日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー。YouTube『富に導くFAチャンネル』も運営している。

著者紹介

連載豊かな老後を過ごすための「資産形成術」

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