「ESG投資」は、環境に配慮した企業に投資をすること
2015年にコスタリカ沖で、プラスチックのストローを鼻に詰まらせて苦しんでいるウミガメが発見されました。このニュースをきっかけに、プラスチックやゴミの廃棄による海洋汚染に対する認識が高まり、海の環境を守ろうという意識が世界中で高まりました。
そこで素早く行動したのが、スターバックスです。使い捨てのプラスチックストローを2020年末までに全世界で廃止することを決定しました。そのため、現在のスタバでは、プラスチックストローを見ることはないはずです。また、多くの飲食店が「紙のストロー」に切り替えるきっかけにもなりました。
このように、サスティナブルな(=持続可能な)未来を築いていこうとする企業に投資するのが「ESG投資」です。そして、このESGは次の3つのことを指します。
S:Social(=「社会」地域貢献・女性活躍・ダイバーシティ)
G:Governance(=「企業統治」)
つまり、ESG投資とは、
・地球環境に取り組む姿勢
・地域貢献
・様々な価値観や多様性を活かした経営
・企業統治はしっかりしているか
などの点に着目して投資の判断をすることをいいます。
「ESG投資」と「SDGs」との関係性
ここで重要になってくるのが、「ESG投資」と「SDGs」の関係性です。SDGsとは、貧困撲滅やジェンダー平等、気候変動対策など、2030年に向けて世界が解決すべき17のゴールのことです。
企業は、自社の事業領域で17のゴールのうちどれを達成すべく取り組むのかを明確にします。そして、企業のSDGsへの取り組み姿勢を評価して投資の判断に活かすのが、ESG投資です。このESG投資の手法には7つあり、代表的なものを1つ紹介します。
◆ネガティブスクリー二ング/ダイベストメント
社会にあまりよくないとされる特定の業界や、環境に配慮していない企業などには投資をしないことをいいます。具体的には、たばこ産業や銃製造会社、環境負荷の大きい石炭を使った火力発電所などには投資や融資はしないことなどが挙げられます。
また、2020年9月には、アメリカのGE社が、地球温暖化ガスの排出量の多い火力発電所事業からは撤退すると発表しました。さらに、みずほFGが石炭火力発電所への融資は2050年までに完全に止めることを決めています。
現在、ESGの視点を取り入れた運用資産額は増加をたどり、世界で30兆ドルを超えているといわれています。日本円に換算すると、3,000兆円になります。いまや、世界で運用されている資産の3分の1はESG投資です。そのため、SDGsに前向きな企業にはお金が集まる傾向があります。しかし、SDGsに前向きではない企業にはお金が集まらなかったり、引き揚げられたりします。
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