小規模不動産会社が持つデメリットがきつすぎる…
ここまでは大手不動産会社のよい点を解説してきましたが、ここから小規模不動産会社の問題点を3点あげてみます。
①提携している金融機関が少ない
仲介会社が様々な案件を取り組むなかで、少なくとも5社程度との金融機関との提携は必須だと思います。ただ、金融機関と不動産仲介会社が提携をするには年間で、ローン案件を一定数紹介しなければなりません。この基準を小規模不動産会社には達成できないことが多いので、提携している金融機関の数が少なくなります。
「不動産の担保評価×購入者の年収・信用」の組み合わせは下記の記載の通り多種多様です。仲介の実務では数えきれないほどのバリエーションがあり、その組み合わせにより最適な金融機関は異なりますので、提携数は多いほどいいといえます。
そのため、ローン審査で承認が下りたとしても、1個の金融機関の審査結果で決めないで、できればもう一つ別の銀行でもローン審査をかけてみることをおすすめします。
不動産の担保評価を低くしてしまう要素
土地が建物主のものではない、30m2以下のワンルームマンション、旧耐震の建物、昭和40年代のマンション、適合証明書の発行の可否、耐震診断でスコアが悪いマンション、自主管理のマンションなど
購入者の年収・信用に関する条件
転職履歴、世帯年収、勤務先、公務員、勤続年収、転職回数、派遣社員、契約社員、病歴、離婚、借入状況、買い替え、奨学金、経営者、確定申告、外国籍の方、永住権の方、年収ダウン、ペアローン、親子ローンなど
レアな条件の組み合わせの場合は審査を進めてみないと分からないことも多々あります。複数の金融機関に相談して本命の金融機関を決めますので、提携の金融機関がない不動産会社は避けるべきと考えます。
②審査のスピードが遅い
最近はSUUMOなどのポータルサイトの情報をみんながスマホで見ています。ある物件が値下がりをすると、多数の人が「割安だ」と反応し、その物件で購入の申し込みが同じ日に重なることが度々ありました。
そのため、ローン結果が1日でも早く出る仲介会社に内覧や購入を依頼すべきです。小さい会社だとこの後に解説する「③営業担当者の知識が乏しい」と合わさって、審査日数が余計にかかってしまい、せっかくローンも通過したのに物件がなくなってしまうということが起きることがあります。
③営業担当者の知識が乏しい
住宅ローンは購入者と金融機関の直接の契約ですが、それまでに、不動産会社の担当者の知識が乏しい場合は最適な金融機関での借入れが期待できません。
この場合、金利が高い金融機関でローンを組んでしまう可能性もあるので、住宅ローンについて営業担当者の知識や理解度が低いと感じれば、その担当者や仲介会社を変えることをおすすめします。
低金利のネット銀行を利用して賢く借入れする方法
ネット銀行の場合、通常金利は低く、仲介会社の信用度から住宅ローンの条件が影響を受けるようなことはありません。そのため、仲介会社の担当者に協力をしてもらい、ネット銀行にもローン審査を申し込むのをおすすめします。
ただ、ネット銀行はローン審査に日数がかかるという弱点があります。仲介会社が紹介する金融機関でローン審査をしながら、並行して自分でもネット銀行の審査を進め、双方の金利や保証料等の条件を照らし合わせたうえで、有利な銀行で借入をするのが得策です。
小島 優一
グランドネクスト株式会社
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