高齢者には「コンロの炎が小さく見えている」衝撃事実
なぜ高齢者に着衣着火が頻出するのでしょう。今までは、高齢になることによる、運動能力の低下が原因と考えられてきましたが、加齢による色覚異常が一因となっていることも考えられます。実はガスコンロの炎というのは、見える大きさが年代によって違ってくるのです(【⇒「見え方の違い」シミュレーションを見る②】)。
20代では青白い炎が6センチほど立ちのぼって見えるものが、60代になるとそれが4センチほどしか立ちのぼっていないように見えてしまいます。
炎は同じように出ているのですが、最も高熱である色温度の高い色(青色の炎の先端)が、高齢者には「見えない」のです。つまり、炎が実際よりも小さく見えているということになります。これが、加齢による色覚異常の端的な例です。
そのため自分では炎との距離を適切にとっているつもりであっても、炎の先端が見えないことで結果的に着衣着火が起こってしまうのです。火災になれば、自分の命はもちろん、家族や近所の住人の命まで危険にさらしてしまうことになります。