■このところ国債利回りの上昇が目立ってきているため、今月は2月と3月9日までの状況をお伝えします。
■米国の大規模な追加経済対策やワクチン効果による景気回復が期待される中、米国債利回りは2月、3月と上昇が続いています。他の国債利回りも2月は総じて上昇しました。投資適格債の利回りは米国債の利回り上昇に連れて上昇しました。米国ハイ・イールド債は2月に利回りが低下した後、3月に上昇に転じました。欧州ハイ・イールド債は緩やかながら利回りの低下傾向が続いています。
■リート市場はまちまちな動きとなりました。米国追加経済対策などを背景とした景気回復期待から、米国、欧州のリート市場には資金が流入し利回りは低下しましたが、シンガポールのリート市場は長期金利上昇を背景に下落し、利回りは上昇しました。主要国株式の配当利回りは大きな変化はありませんでした。
■今後は、景気回復にともなうインフレ上昇を受け金融資産の利回りに上昇圧力が強まると見られますが、労働市場に残る需給の緩みのため本格的なインフレには至らず、利回りの上昇は限定的と見込まれます。

(注2)MLPは有限責任組合(Master Limited Partnership)で、米国で行われている共同投資事業形態の1つです。エネルギーや天然資源に関する事業などを行っているMLPがあります。BDCは米国の事業開発会社(Business Development Companies)です。銀行とは異なる企業形態で、中堅企業等向けに、融資や出資(株式の取得など)を行う会社です。
(出所)Bloomberg L.P.、S&P Dow Jones Indices LLC、FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『主要な資産の利回り比較(2021年2月)』を参照)。
(2021年3月11日)
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