「2500万円の都内1R」を2戸購入…35年後の売却額は
老後の生活費は年金受給だけでは足りません。平均的には約2000万円、ゆとりある生活をするなら約5400万円不足する見込みです。
さらに公務員の年金受給額は現状よりも2割程度少なくなる見通しもあるので、平均的な生活を想定しても約3500万円不足します。
このことから、仮に退職金を2000万円受け取れたとして、プラス3000万円の資産があれば安心でしょう。
そこで不動産投資です。おそらく30歳前後の公務員なら、都内の2500万円程度のワンルームマンションを2戸買うことが可能でしょう。その物件が年金を受給する35年後にいくらで売却できるかの相場の実例を不動産業界のネットワークシステム「レインズ」で調べてみた結果が次になります。
▼現在築35年前後の物件の販売価格(東京都墨田区・板橋区)
築年数39年…駅徒歩:3分/間取り:1K/販売価格:1880万円
築年数40年…駅徒歩:5分/間取り:1R/販売価格:1550万円
築年数34年…駅徒歩:1分/間取り:1R/販売価格:1450万円
築年数33年…駅徒歩:16分/間取り:1R/販売価格:980万円
築年数38年…駅徒歩:3分/間取り:1K/販売価格:1000万円
だいたい1000万円から1500万円で売却可能のようです。もちろん、高値で売るには好立地が前提条件で、さらに売却前にリフォームをすることも必要でしょう。
しかし、それさえクリアしていれば、35年後でも1戸当たり1500万円前後の価値が残ります。2戸であれば3000万円。これで老後資金は安心できます。
35年後も「1戸あたり月6~7万円」の家賃収入
とはいえ、「売却して定期収入がなくなるのは不安」という人もいるでしょう。そこで築35年後の家賃相場も調べてみました。
▼現在築35年前後の物件の賃料(東京都台東区・板橋区)
築年数33年…駅徒歩:5分/間取り:1LDK/賃料:9万5000円
築年数34年…駅徒歩:1分/間取り:1R/賃料:7万円
築年数34年…駅徒歩:7分/間取り:1R/賃料:5万9000円
築年数33年…駅徒歩:15分/間取り:1R+ロフト/賃料:5万7000円
築年数33年…駅徒歩:12分/間取り:1R/賃料:5万3000円
相場は6万円から7万円といったところでしょう。新築で8万円くらいですから1万円から2万円程度しか下がらないことになります。
仮に1戸を売却して1戸を所有し続ければ、現金1500万円と7万円の安定収入を得ることができます。
毎月7万円ということは、85歳になる20年間で1680万円。この選択も十分ありではないでしょうか。資産運用不動産投資は、死亡時や老後だけでなく日常生活を豊かにする資産運用にも非常に有効です。その理由は、なんといっても毎月確実に家賃が入るという安定性でしょう。
頭金を多めに入れる、もしくは物件選びによっては月々万円単位の収入を得ることも可能です。しかもローン完済後に売却をすれば、1000万円前後の現金が手に入ります。
さらにコツコツとしっかりローンを返済していけば、銀行の評価が上がり、比較的容易に買い増しもできます。年収などの条件によってはワンルームマンションを3戸所有することも可能でしょう。そうなれば月々の収入は3倍、売却したときに手にする現金も3倍=数千万円になります。非常に効率の良い投資対象です。
子に資産を残せる?「築50年RC造マンション」の価値
RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションであれば、長期間資産価値を維持します。そのため、不動産投資は皆さんの子どもたちへ資産を残すことにもつながります。
「そんなこといっても今30歳なら相続するのは50年以上先。そんなに資産価値が続くのか?」と思うのは当然でしょう。そこで築50年前後の物件の販売価格と賃料をレインズで調べてみました。
▼現在築50年前後の物件の販売価格(東京都墨田区・台東区・板橋区)
築年数56年…駅徒歩:8分/間取り:1R/販売価格:1380万円
築年数51年…駅徒歩:5分/間取り:1R/販売価格:1480万円
築年数48年…駅徒歩:7分/間取り:1K/販売価格:980万円
築年数47年…駅徒歩:8分/間取り:1K/販売価格:1080万円
▼現在築50年前後の物件の賃料(東京都墨田区・板橋区)
築年数50年…駅徒歩:4分/間取り:1R/賃料:7万円
築年数48年…駅徒歩:10分/間取り:1R/賃料:6万5000円
築年数50年…駅徒歩:4分/間取り:1R/賃料:6万9000円
築年数49年…駅徒歩:9分/間取り:1R/賃料:6万5000円
築年数50年…駅徒歩:6分/間取り:1R/賃料:6万5000円
販売価格はだいたい1000万円から1500万円。賃料は6万5000円前後。なんと販売価格も賃料も築35年とほぼ同じなのです。
これらの物件はすべて壁紙からキッチン、バスルームまでフルリフォームをしています。費用は200万円前後といったところでしょう。それでも1000万円前後の資産価値が残ります。
おそらくRC造は耐久性に対する信頼度が高いので、内装さえきれいになっていれば築年数を気にしないという人が多いのでしょう。
さらにここで理解していただきたいのが、これらの価格はあくまで「今現在で築50年の相場」ということです。最近の物件はコンクリートなどの材料の性能が向上し、耐久性や耐震性も飛躍的にアップしています。そのため、最近建てられた物件が50年経った時点での販売価格・賃料の下落率はさらに低いと考えられます。
このようなことからRC造の投資物件であれば、皆さんが子どもたちへ相続する50年後でも十分資産価値があるといえます。