「公務員=安泰の職」ではなくなった今、年金受給額が減っていくことを考えると、退職金に加えて別途3000万円ほど用意できれば安心です。そのために不動産投資を活用するというのはどうでしょうか。「副業規定に抵触するのでは?」と心配になるかもしれませんが、資産3000万円を目標とする程度の不動産投資であれば問題ありません。

大金の用意がなくても「勝手に儲かる」不動産の仕組み

老後のため、家族のため、たとえ公務員であっても投資はするべきです。しかし、株式やFXは値動きが激し過ぎて本業に支障が出そうですし、iDeCoは60歳まで換金ができません。そして仮想通貨は株式以上に値動きが激しくてあまりにもハイリスクです。

 

では、どの投資を選べばいいのか? 私は不動産投資をお勧めします。不動産は数少ない「ローリスク・ミドルリターン」の投資対象といえるからです。

 

具体的にどのようにしてリターンを得るのか仕組みを説明しましょう。まず、家賃収入を得られる不動産を購入します。「そんな大金持ってない!」と思う人も多いでしょうが、公務員なら一般のサラリーマンよりも有利な条件で融資を受けられるのでまったく問題ありません。その理由も後述します。

 

そして、その家賃収入によって借入金を返済していきます。したがって、実質の月々の返済額はゼロまたは日常生活に影響がない程度の少額で済みます。

 

家賃収入で借入金を返済していけば、最終的に完済となり、物件からもたらされる収入はすべて不労所得となります。また、完済したあとに売却をすれば多額の現金が手に入ります。

 

この仕組みさえ作ることができれば、あとは何もしなくても自動的に資産が形成されていくのです。

 

重要なのは、毎月の家賃収入から借入金を返済し、修繕積立金や固定資産税などの必要経費を支払ったあとでもキャッシュフローが残る、または持ち出しがあったとしても少額で済む仕組みを作ることです。

 

これはそれほど難しいことではありません。しっかりと物件の良し悪しを見極め、さまざまな指標も勘案したうえで投資に値する物件かどうかを判断すること。この最初の見極めさえ間違わなければ、あとは優秀な管理会社に運営を委託することで、寝ていても家賃収入が入ってきます。

 

とはいえ、その物件の見極めが簡単ではないのですが、信頼できる不動産投資会社を見つけることさえできれば、あとは任せればいいのです。

35歳で始めれば、年金生活前に目標額達成・ローン完済

不動産投資を始めることができる年齢層は、新社会人から定年間近な方まで、かなり広い範囲となっています。多くの金融機関は、一定の収入があり、完済時期が80歳前後に設定できる人を審査対象としているからです。

 

とはいえ、不動産投資を始めるなら、早ければ早いほど得られるメリットは大きくなります。早く始めれば無駄な生命保険料を支払うこともなくなりますし、ローンの完済時期も早められ、家賃収入のすべてを自由に使える期間が長くなるからです。

 

しかしながら、いくら早いほうがいいといっても銀行はある程度の収入がない人には融資をしてくれませんし、したとしても高金利になるなど融資条件が厳しくなります。

 

では、不動産投資を始めるベストタイミングはいつでしょうか? 私は35歳前後だと考えています。公務員にとって35歳とは、ちょうど勤続10年前後となり、年収が500万円を超える頃でしょう。年収が500万円を超えると、多くの金融機関の評価はぐんっと上がります。銀行の選択肢や借りられる額が増え、金利も低くなる可能性が高くなるのです。

 

また、私はローンを組む際の条件の一つに、「完済する年齢が65歳であること」を挙げています。

 

65歳を過ぎて年金生活になった時期に、ローン返済が続いているのは、不安を覚えるからです。不動産投資ローンの返済期間は、長ければ長いほど月々の返済額が少なくなり、キャッシュフローが良くなります。そして多くの金融機関の最長返済期間は35年です。

 

ですから65歳で完済するには、35歳前後でローン返済を開始するのがベストなのです。

 

35歳といえば、結婚を真剣に考えている人も多いと思います。不動産投資を始めるなら結婚前がお勧めです。結婚することでクルマのローンに加えて住宅ローンも抱え、そのうえ教育費まで考えるようになると、一気に投資への情熱が冷めてしまうケースがあるからです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

公務員なら「年収の10倍」も…融資額の目安

金融機関は、顧客それぞれの属性によって融資枠を設けています。簡単にいってしまうと、審査によって「この人になら~万円まで貸せる」と決めているのです。

 

この融資枠は、複雑な計算式を用いて算出されるもので、顧客本人にも明かされることはありません。

 

とはいえ目安は把握しています。金融機関によって差はありますが、大手企業に勤めるサラリーマンでだいたい年収の7~8倍といったところでしょう。

 

一方で公務員は、年収の10倍でも借りられることが多々あります。10倍ということは年収500万円なら5000万円の融資が受けられるということです。

 

融資枠が高いということは、不動産投資において最大のメリットです。レバレッジ効果を有効活用し、一般的なサラリーマンであれば1戸しか買えない物件を2戸買うことができます。

 

物件を複数所有できるということは、「老後資金3000万円」を実現させ、さらに空室や災害といったリスクの分散にも役立ちます。そのため、不動産投資に慣れた資産家たちにとって、物件の複数所有は当たり前のこととなっています。

 

また、ローンの完済時期は年金受給が始まる65歳が目安。ですから金融機関からの評価が高い公務員が不動産投資を始めるなら、最初から2戸同時に買うのが理想でしょう。

 

そうはいっても「いきなり数千万円の物件を2戸買うのは抵抗がある」と思うのは当然です。ならば1戸購入したあとに数ヵ月様子を見て、家賃の入金状況や管理体制を確認してから決断すればいいと思います。ちなみに2ヵ月くらい様子を見る方が多いようです。

 

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※本連載は本橋亮氏の著書『なぜ消防士は不動産投資に向いているのか?』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

なぜ消防士は不動産投資に向いているのか?

なぜ消防士は不動産投資に向いているのか?

本橋 亮

幻冬舎メディアコンサルティング

「不動産」こそ消防士に最適な投資対象だ! 地方公務員である消防士の老後が安泰とされていたのも今は昔。共済年金が厚生年金に一元化され、将来受け取る年金額が減ることに加え、給料は頭打ち、退職金も減少傾向にあります…

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