点検商法、健康食品…すぐそこにある危機
オレオレ詐欺と並んで、よく耳にするのが「点検商法」。住宅を訪問して「無料で点検しますよ」と言いながら、実際には必要のない高額な工事や商品を買わせる悪徳商法です。これも、ターゲットは高齢者。悪徳商法かもしれないと気づいたら、消費生活センターなどに問い合わせてみましょう。
契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、一定の期間であれば無条件で撤回したり、契約を解除したりできる「クーリング・オフ制度」があります。これを使って手続きをすれば、騙されたお金が戻ってくる可能性があります。
また、その制度を知っていたとしても「クーリング・オフができないと契約書に書いてあった」とか、「業者が、これはクーリング・オフができない契約だからと言ったので、できないものだと思った」と言う人は多いのです。
クーリング・オフは消費者保護のための法制度なので、もし契約書内に「クーリング・オフは不可」などと書かれていても、問題なく行うことができますし、違約金などを支払う必要もありません。高齢者の場合は、こうした情報が不足しているために、泣き寝入りしてしまうことが多いようです。
点検商法は基本的に、人の弱みにつけこんだものです。近年、気候の変動によって大きな災害に見舞われることが多くなりましたが、そのタイミングを狙って「雨樋が壊れている」「屋根が傷んでいる」と言っては、業者を装った人間が家を訪ねてきて「住宅の火災保険を利用して無料で修理できる」という誘い文句で、屋根の修理や耐震工事、外壁塗装を勧めてくるケースが、とくに増えているようです。
実際、壊れたり傷んだりしていれば、早く直したいと思うのが人の常ですから、保険金の範囲内で工事してもらえるなら、なおさらいい話だと思って、依頼してしまうのです。ですが、実際には、点検業者が保険会社への保険金請求を代行することで、高額な手数料を請求してくることがありますし、相場よりもはるかに高額な工事代金を取られることもあります。