自分の不動産を売却しようとする場合、どのようなタイプの不動産屋に依頼するのが得策なのか? 7年間で約500件の不動産取引の経験を持つ、グランドネクスト株式会社代表・小島優一氏が解説します。

小規模な仲介会社やネット仲介会社のメリットは?

「小規模な仲介会社」と「ネット仲介会社」の売却活動の概要

 

(写真はイメージです/PIXTA)
[図表2]

 

この場合の販売活動は物件情報をレインズ(不動産流通機構会員専用の情報交換サービス)に載せて、売り側仲介会社は「ただ問い合わせを待つ」というのが通常です。

 

そして、レインズで販売情報を見た全国の買い側の会社がポータルサイト等に広告を掲載し、購入の条件が近い自社の顧客に物件の紹介をします。

 

売り側仲介会社の仕事は販売図面の作成とレインズへの物件情報の登録だけですが、全国の買い側仲介会社が積極的に販売活動をするため、売買価格は高めとなり販売期間は短めと言えます。

小規模な仲介会社にはこんな問題点が…

「小規模な仲介会社」の担当者の特徴

「小規模な仲介会社」は一般的に主に駅前商店街などの認知されやすい場所に店舗をかまえることで集客をしています。

 

営業担当者はスキルのばらつきが大きく、癖の強い担当者もいるので、スキルが不十分な担当者にあたってしまうと、売却の様々な段階でストレスを感じることになりますので、面談時に違和感があれば依頼しないのが無難です。

 

売却活動の良し悪しにより売主の売却後の手取り金額は200~300万円変わるので、経験やスキルが不十分な営業担当者が売主のそのストレスを理解できず、途中から担当者と売主の関係が険悪になり、決済時には顔も合わせない場面を何度も目撃しました。

小規模・ネット仲介会社は値引きができるのでお得?

「小規模な仲介会社」の仲介手数料は

仲介手数料の値引きについては、交渉をすれば、ある程度の値引き幅は取れるので、依頼する前に聞いてみてもいいでしょう。

 

「ネット仲介会社」の強み

「ネット仲介会社」はインターネットでの検索時に買主に認知されるように自社のWEBサイトを構築しており、そのサイトでは想定売買価格や過去の成約履歴を掲載していることもあります。また、仲介手数料を半額や定額にするなどの値引きをサイトに表示していますので、その点は安心といえます。

 

ネット仲介会社の営業担当者はメール中心のドライな対応とも感じますが、もともと大手不動産会社で仕事をしていた転職者が多く、全体的なスキルは高めですので安心して依頼することができます。

スムーズな取引がしたいなら、大手を選ぶべき

売却を依頼する不動産会社の大手仲介会社かどうかによって、売却価格はほとんど変わりありません。

 

むしろ、不動産会社に支払う費用の面では大手仲介会社の仲介手数料は売買価格の約3%から値引きは期待できないので、ネット仲介会社と比べると売主の売却後の手残りの金額は少なくなります。

 

ただ、大手仲介会社は媒介契約前に詳細な周辺成約事例などの資料の提供とその説明をしてくれる点と売却後のトラブルに巻き込まれるリスクが少ない点が魅力です。

 

小島 優一

グランドネクスト株式会社代表 

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