相続税対策は、突飛な方法ほどリスクが高くなる
相続税対策は「常識」で判断すれば、道を誤ることはそうそうありません。
しかし常識という言葉の幅は広いものです。人によって基準が異なり、右にぶれている人もいれば左にぶれている人もいます。「常識とは何か」についてつきつめて考えると、なかなかはっきりした答えは出てきません。
しかしそこは難しく捉えず、ごく一般的な感覚で考えてみてください。つまり、多くの人々が持つ感覚を大事にするということです。「それはちょっと無理がある」「普通はそんなことしない」と感じる話には、裏があったり、高いリスクがあったりするということです。
このような「常識のバランス感覚」が必要な例として、「航空機リース」や「映画フィルムリース」などが挙げられます。これらは航空機や映画に投資することで一時的に財産を減らし、節税につなげる「節税商品」です。
航空機は、1機が100億円から200億円にもなります。それに対して業者が出資者を募り、同時に資金を出し合います。これが節税につながる理由は、出資額に対して飛行機の耐用年数は数年程度と短いため、減価償却費を早めにとることができるからです。その一方で、リース期間は10年から30年と長くなります。
たとえば、航空機に資金1000万円を出資すると、10年の減価償却なら毎年100万円ずつを損金として計上できます(定額法の場合)。そしてリースが20年契約であれば1000万円を20年かけて、少しずつ返してもらえるのです。映画フィルムリースも同様の仕組みで、これから製作される映画に対し出資して同様のことが可能です。このような節税商品は、課税を繰り延べ、納税時期を遅らせることが特徴です。
たとえば事業で「今期、たまたま利益がすごく大きくなってしまった」という状況が訪れた場合、節税商品に出資することで損金を作り出し、長い時間をかけてその分のお金を回収していくことができます。
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