会社に大きな利益が出たとき、少しでも税金を払いたくないというのが社長の心情です。だからと言って、無理のある節税手段をとってしまうと脱税となってしまいます。実際過去には、多くの節税手段がありました。それらの節税方法が法的に是か非かを自己判断できる基準について税理士の北村英寿氏が解説します。

相続税対策は、突飛な方法ほどリスクが高くなる

相続税対策は「常識」で判断すれば、道を誤ることはそうそうありません。

 

しかし常識という言葉の幅は広いものです。人によって基準が異なり、右にぶれている人もいれば左にぶれている人もいます。「常識とは何か」についてつきつめて考えると、なかなかはっきりした答えは出てきません。

 

しかしそこは難しく捉えず、ごく一般的な感覚で考えてみてください。つまり、多くの人々が持つ感覚を大事にするということです。「それはちょっと無理がある」「普通はそんなことしない」と感じる話には、裏があったり、高いリスクがあったりするということです。

 

このような「常識のバランス感覚」が必要な例として、「航空機リース」や「映画フィルムリース」などが挙げられます。これらは航空機や映画に投資することで一時的に財産を減らし、節税につなげる「節税商品」です。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

航空機は、1機が100億円から200億円にもなります。それに対して業者が出資者を募り、同時に資金を出し合います。これが節税につながる理由は、出資額に対して飛行機の耐用年数は数年程度と短いため、減価償却費を早めにとることができるからです。その一方で、リース期間は10年から30年と長くなります。

 

たとえば、航空機に資金1000万円を出資すると、10年の減価償却なら毎年100万円ずつを損金として計上できます(定額法の場合)。そしてリースが20年契約であれば1000万円を20年かけて、少しずつ返してもらえるのです。映画フィルムリースも同様の仕組みで、これから製作される映画に対し出資して同様のことが可能です。このような節税商品は、課税を繰り延べ、納税時期を遅らせることが特徴です。

 

たとえば事業で「今期、たまたま利益がすごく大きくなってしまった」という状況が訪れた場合、節税商品に出資することで損金を作り出し、長い時間をかけてその分のお金を回収していくことができます。

 

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大増税時代に大損しない 相続税対策

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北村 英寿

幻冬舎メディアコンサルティング

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