人口当たり犯罪認知件数の多い都道府県は?
さらに犯罪の発生状況を地域別に見ていきましょう。
2020年、刑法犯の認知件数は前出のとおり61万件強ですが、そのうち最も認知件数が多いのは東京都で8万2764件。刑法犯の13%は東京都で起きている計算です。しかし日本の総人口の10分の1を抱えているので、その分、犯罪件数が多くて当たり前といえば当たり前。そこで人口当たりの認知件数で比較していきます。
刑法犯、人口10万人当たりの認知件数は全国平均486.8件。そのなかで最も割合が高いのが「大阪府」で人口当たり775.9。続いて「兵庫県」で626.5。「埼玉県」「東京都」「茨城件」と続きます。一方で最も割合が低いのが「岩手県」で208.1。「長崎県」「秋田県」「大分県」「青森県」と続きます。同じ日本とはいえ、1位と47位では、人口比3.7倍もの差があります(図表1)。
重要犯罪に絞って見ていくと、人口10万人当たりの全国平均は7.1。そのなかで最も多いのが「大阪府」で12.61。「兵庫県」「東京都」「埼玉県」「香川県」と続きます。一方で最も割合が低いのが「秋田県」で2.17。「徳島県」「福島県」「長崎県」「愛媛県」と続きます(図表2)。
重要窃盗罪の人口10万人当たりの全国平均は40.9。最も多いのが「茨城県」で109.1。「福島県」「栃木県」「群馬県」「千葉県」と続きます。一方、最も割合が低いのが「長崎県」で14.85。「岩手県」「大分県」「広島県」「熊本県」と続きます(図表3)。
ではコロナ禍で大幅に減少した街頭犯罪はどうでしょうか。人口10万人当たりの全国平均は138.6。最も割合が大きいのが「大阪府」で312.3。「東京都」「埼玉県」「千葉県」「兵庫県」と続きます。一方で最も割合が少ないのが「長崎県」で28.56。1位と47位では、11倍もの差が生じています(図表4)。
犯罪の中でも重大なものを中心に見てきましたが、犯罪件数は減少傾向にあり、日常の中で犯罪に巻き込まれる機会も減少しています。しかし様々な社会情勢を背景に、新たな手口の犯罪が生まれています。そのような犯罪を許さないためにも、地域を見守る眼が重要です。
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