何と言っても「大きな利回りが期待できる」株式の魅力
「投資といえば株式」と思う人は多いはずです。株式は、それほど一般的に知られた投資対象といえます。
メリットとして挙げられることは複数ありますが、まずはその人気ゆえの情報量の多さでしょう。ネット環境さえあればヤフーファイナンスをはじめ、さまざまなポータルサイトでも情報収集ができますし、専門誌もたくさん発行されています。
また、預貯金と違ってインフレに強いことも大きな魅力です。1950年の日経平均株価は100円前後でしたが、2020年8月の日経平均株価は2万2000円前後と220倍になっています。一方で同時期の消費者物価指数の上昇率は8.39倍ですから、いかに株式がインフレに強いか分かるでしょう。
そして株式の最大の魅力は、なんといっても大きな利回りが期待できることです。最近の例としては、2018年にフリーマーケットアプリ国内最大手のメルカリが東京証券取引所マザーズ市場に新規株式公開しました。その際の初値は5000円。公募価格が3000円ですから、たった1日で66%の上昇です。1000万円分の株式を所有していたら660万円の利益。1日でそれだけの利益を得られると分かったらほかの投資はできなくなるかもしれません。
小遣い稼ぎが限界…素人が値動きについていくのは困難
一方でその投機性がデメリットとなります。株式はギャンブルではないので、値動きにはそれなりの根拠があります。メルカリのような誰もが知る企業の上場や画期的な新商品の発売などです。
しかし、そのような分かりやすい理由で値動きをするケースばかりではありません。なかには急上昇をしていた株価が、急降下することもあります。このような値動きをすべて事前に知ることは、その道のプロであるトレーダーでも不可能です。
そして株式投資は元本保証がありません。たとえ何百万、何千万費やしたとしても、1日でゼロ円になる可能性があるのです。
また、そもそも本業を持つ皆さんのような方にとって、市場が開いている間は常に変化している株式の値動きについていくことは、ほぼ不可能でしょう。
私が以前在籍していた会社でも、会議中に机の下に隠したスマホから目が離せないほど株式投資にハマっていた部下がいました。そんな彼でも値動きについていけずに1年間で数百万円の損失を出しました。現在はその穴埋めをするためにフルコミッションの会社へ転職し、馬車馬のように働いています。
株式は、それを専業とするトレーダーと真っ向勝負する市場です。本業を持つ素人が参入しても、一時的に小遣い程度は稼げるかもしれませんが、資産を形成するほど勝ち続けられることは、まずないでしょう。
うまくいけば「25倍の利益」が出せるFX
FXは「Foreign exchange」の略で、日本語では外国為替証拠金取引といいます。この投資の仕組みは簡単で、「外貨を買って、円安になったら売る」だけです。その差額が利益になります。
例えば1ドルが100円のときに100万円分(1万ドル)買ったとします。それを1ドルが120円のときに売却すれば120万円になるので、20万円の利益を得ることができます。
「安く買って、高く売る」。この仕組みは株式投資と同じです。しかし、大きく異なる部分もあります。それは「レバレッジ効果」を利用できる、ということです。
レバレッジとは「てこの力」を意味する英語で、投資の世界では「少ない資金で大きな額の取引ができる効果」を指します。FX投資では、証拠金として預けた資金の最大25倍まで取引をすることができます。
具体例で説明しましょう。仮に自己資金100万円でFX投資を始めたとします。そして1ドルが100円のときに100万円分(1万ドル)買い、120円になったタイミングで売却すれば20万円の利益となります。
それが同じ100万円の自己資金で2500万円分の取引をすることができるので、利益も25倍の500万円になるのです。このレバレッジ効果がFX投資の最大のメリットといえます。
さらにFXは世界の通貨を対象としているので、24時間取引が可能です。これも日中忙しい労働者にとって大きな利点でしょう。
失敗すれば大損失…レバレッジ効果は「諸刃の剣」
ただし、最大のメリットであるレバレッジ効果は、最大のリスクでもあります。もし、前述の例で1ドルが80円になってしまえばレバレッジなしでは20万円の損失で済みますが、25倍のレバレッジをかけていれば500万円の損失となってしまいます。
100万円の自己資金に対して5倍の損失です。よほどの覚悟と経済力がなければ、そのようなリスクは冒せないはずです。
また、FXの値動きは株式と同様で非常に早いという特徴があります。しかも各国の政治情勢や経済指標、首脳などの発言によって、急激に変動します。つまり、日頃から欠かさず外国の経済や政治の情報収集を行わなければなりません。やはり、素人では太刀打ちできない市場なのです。
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