「調剤技術料」が薬局によって違うというこがある
エピソード
母はアリセプトという認知症の薬を処方されていて、いつもは病院前の調剤薬局を利用しています。かかりつけ病院は診療科がそれなりにあるため、この調剤薬局は広さの割にいつも混雑しています。ある日、あまりにも混雑していたのと天気も良かったので、少し先の小さな診療所がいくつか集まっている近くにある新設の調剤薬局に行ってみました。
ここは、数か所の診療所の処方箋を主に担当していますが、患者数も少なめで待合室も余裕がある上、ドリンクバーもあります。とても快適な待ち時間を過ごすことができました。ですが問題もありました。アリセプトが処方された日数分、在庫がなかったのです。すぐに調達してくれて、その日の夕方には家まで届けてもらいましたが、周りの診療所から処方される薬が当然ながら中心なのです。支払いのとき、いつもより高いことに気が付きました。
処方箋が同じならどこの調剤薬局でも同料金だと思っていたので薬剤師に質問をしたのです。その答えが、この「調剤技術料」が薬局によって違うということだったのです。
総額的にはかかりつけ病院前の門前薬局の方が安いのですが、混雑しているときはかなり待たされる上に、母は車いすなので待つ場所に苦心します。数百円の差はありますが、時間と余裕を買うと思えば、このように調剤薬局を変えてみるという選択もアリなのではないでしょうか。今では、薬局の混雑具合と自分の都合でこの2か所の調剤薬局を使い分けしています。
親の加入している
生命保険を把握しているか
入院が長期になると月末ごとに医療費請求がきます。親が民間会社の医療保険や共済に加入している場合、入院日額や一時金など給付金の請求ができる場合があります。
しかし、親が保険の存在を忘れている、子も知らないとなれば、契約した保険が活用できず、損をしてしまいます。医療保険の保険金・給付金は親本人が請求をしなければ給付金は手元にきません。給付金の請求にも時効があり一般的には3年です。治療や入院は大きなお金が必要です。少し元気なうちにできる限り、加入している保険の内容を確認しておきましょう。
保管場所の確認だけでもOK
親でもお金の話は切り出しにくいものです。保険に関しては保険証券の保管場所だけでも教えてもらいましょう。内容を根掘り葉掘り聞く必要はありません。それも拒否をするようであれば、郵便物の中に保険会社から送られてくる、現在の保険契約内容のお知らせがないかを気にかけておきましょう。毎年1回、契約月前後に送られてくることが多いです。保険会社名と担当者が書かれています。この情報を知っているだけでも一歩前進です。
医療保険の請求と指定代理請求特約
医療保険の給付は申告から手続きが始まります。医師の診断書も必要で、請求の時期は退院後がスムーズです。ただし入院が長期になると、入院中でも請求をして給付金を受け取りたい場合があります。本来、被保険者である親本人が手続きを進める必要がありますが、症状によっては難しい場合が出てきます。保険には「指定代理請求特約」という制度があり、これは予め指定代理人を定めておけばその代理人が請求できるというものです。この特約はいつでも付けることができる場合が多いので、付いていない場合は保険会社に確認をしてください。これも親本人が連絡をとる必要があるため、早めの確認をお薦めします。
申請により受けられる給付
圧迫骨折などでコルセットやギプスなどの治療用補装具を医師の指示でつくった場合、まずは全額自費で支払いますが、市区町村の審査を経て、その一部が返金される制度があります。申請期限は医師の意見書の日付の翌日から2年以内など市区町村ごとに決められた期間がありますので確認しましょう。オーダーメイドのため自費で6万前後かかります。1割負担であれば、9割が返金されるのです。もらえるお金は忘れずに申請してください。
申請に必要なもの
・親の保険証
・世帯主名義の口座
・印鑑
・医師の意見書原本
・領収書原本
※補装具は医師の指示により制作されるので、領収書日付は医師の意見書日付以後になる。
渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表
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