ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。

売上を伸ばすためのウェブマーケティング

マーケティングとは売上を伸ばすこと

 

ウェブの力を生かしてどんなマーケティングをしていけばいいのでしょうか。

 

マーケティングについては、商品が売れるようにすることであるとか、売れるしくみを作ることだとよく言われます。また企業名や商品の認知度を上げていくという側面も持っています。

 

マーケティングにはこれという明確な定義があるわけではなく、そのとらえ方にも幅があります。しかもウェブマーケティングでは、クリック数、検索結果画面の掲載順位、サイトへの集客数、コンバージョン数等々、さまざまな指標があり、どれもそれなりの意味を持っていて、これが目指すべき目標数値だとはいちがいに決められません。

 

売上を伸ばすために調査分析を行い、仮説を立てて実行していくのがウェブマーケティングだという。(※写真はイメージです/PIXTA)
売上を伸ばすために調査分析を行い、仮説を立てて実行していくのがウェブマーケティングだという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

しかしウェブマーケティングによって売上を伸ばすことを目指していることは、誰も否定しようとはしないでしょう。売上を伸ばすために調査分析を行い、仮説を立てて実行して、その結果をもとに再び分析を行うという一連の行為が、ウェブマーケティングの根幹をなす作業です。

 

今までこの層は自社のターゲットではないと思っていたが、ウェブマーケティングによって、実はここも反響があると分かれば、そこにもアプローチをして新しい市場を見つけていきます。これも売上を伸ばすためのひとつの行為です。

 

ウェブマーケティングはウェブだけで完結しない

 

売上増大を追求していくと、ウェブでできることだけでは限界があります。ネットで行うマーケティング活動はもちろん重要ですが、それだけでなくリアルの世界も含めてさまざまな施策のアイデアを出し、実行に移していくことで掛け算の効果が出ます。

 

ネットとリアルを組み合わせた成功例として、ある住宅会社のケースを紹介します。

 

この会社には都内に立派なショールームがありますが、たまに人が立ち寄ってくれればいいというぐらいの位置づけでした。

 

それまでのウェブによる集客のゴールは資料請求でした。その中から興味を持った人が問い合わせてくれればいいという、明らかに待ちの姿勢です。

 

私はウェブマーケティングのクライアントとしてこの会社とお付き合いをしていたのですが、何に活かすわけでもなくただ建っているショールームがあまりにももったいないので、見学者を招いて御社の仕事のクオリティに直に触れられる場にしてはどうかと提案しました。

 

そこで定期的に相談会を開くことにして、ウェブページにショールーム見学と相談会予約のフォームを加えて作り直したところ、ショールームを見たいという訪問客が毎月確実に増えていきました。

次ページ住宅展示場を活用したウェブプロモーションの成果

本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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