なぜこんな差が…「都市ガス自由化」の知られざる裏側
一方、プロパンガスが一般家庭で利用されるようになったのは1953年頃です。この頃の都市ガスはエリアも狭く、カロリー(熱量)もプロパンガスの約4分の1ほどでした。これに対して、都市ガスのエリア外でも利用でき、都市ガスと同様に簡単に火がつくプロパンガスの利便性は利用者にとって新鮮でした。プロパンガスは爆発的に一般家庭に普及し、1960年代には全国の家庭の54%が利用するほどになったのです。
■都市ガス自由化の背景
2017年4月1日、都市ガスの小売りが全面的に自由化されました。それまでは、関東エリアの東京ガス、中部エリアの東邦ガス、関西エリアの大阪ガス、九州エリアの西部ガスの四大事業者をはじめ、北海道ガス、北陸ガス、広島ガスといった準大手の都市ガス会社が、事実上ほぼ独占的に販売を行ってきました。各エリアに住む人は、原則的に、そのエリアの都市ガス会社しか選べなかったのです。
四大事業者は、都市ガスの主原料となっている液化させた天然ガス、LNG(Liquefied Natural Gas)の基地を所有し、広範囲にガス管を張り巡らせており、同様に準大手の事業者もLNG基地を持っています。
自由化前の2016年度、都市ガスの販売量の比率は、東京ガス約37.7%、大阪ガス約23.3%、東邦ガス約10.4%、西部ガス約2.3%。四大事業者といわれているものの、大手3社で日本全体の約7割のシェアをカバーしている状況でした[図表1]。

一方、都市ガスの事業者は全国に200以上あり、その8割以上は従業員が数十人の中小企業です。
なぜここまで大きな差が生まれているかというと、これまでは、国策として少ない事業者が独占していたほうが効率がよいと考えられていたからです。ガス管を整備するための設備投資は、コストがとても高くつくため、スケールメリットを考えた際に、なるべく少ない事業者に独占させることが、結果的にコストを抑えることになったのです。
そうなると当然、都市ガスの市場はごく限られた大手事業者に独占されていくことになります。こうした状態を、自然独占といいます。
また、都市ガスの価格は、自由化以前は、国が審査して許可した総括原価方式によって決められていました。総括原価方式とは、製造と供給に必要な費用と料金が等しくなるように計算され、そこに一定の利益を上乗せして価格を決める方式で、ガスのほか、自由化になる前の電気、水道など公共性の高いサービスに適用されています。
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