「報告してほしい」と言わないと相手は動かない
手抜きのレポートにはどんどん注文をつける
ウェブマーケティング会社の営業担当に、「レポートは出してもらえるのですか?」と聞く人は多いと思いますが、内容までは尋ねずに契約するケースがほとんどです。「どういう内容のレポートを出してくれるのですか」とぜひ聞いてみてください。おそらく見本を渡してくれるはずです。
自分たちがウェブマーケティングを始めてまだ日が浅いと、レポートをどう見たらいいか分からないかもしれません。それでも見本があれば、どんなものかを知ることはできます。
明らかに固定のフォーマットに項目と数字を並べただけで、見ただけでは内容が分かりにくい月次レポートを出す会社が多いので、「もっと分かりやすくはできませんか」「顧客に合わせてカスタマイズはしないのですか」と質問してみるといいかもしれません。ただし「できます」と答える会社はおそらく少数です。「検討します」ならまだいい方で、「うちの形式なので変えられません」と平気で言うところが珍しくありません。
こんな会社と契約をすると、結局は後でいろいろ注文を付けたくなります。「これとこれがよく分からないから、もっと資料を出したり詳しく報告してほしい」と、どんどん言うべきです。言わなければ相手は動きません。
具体的に言うと、リスティング広告ならキーワードごとのクリック数を集計しただけの場合がほとんどです。配信の時間別、曜日別、地域別、デバイス別(PC、スマホ、タブレット)のデータも出してもらいましょう。
ディスプレイネットワーク広告であれば、配信先リストを提出させて、まずスマホのアプリに広告を出していないかチェックします。もちろんどの媒体でクリックされているか、それがコンバージョンまでつながっているかは重要なポイントです。
そんなレポートが出せない、聞いてみても言えないというのであれば、広告代理店の担当が数字を見ていないか、数字が悪くて隠しているかのどちらかです。「なぜ数字を出さないのか」と追及してください。
こういう会社は「工数がかかるのでできません」という言い訳をよくします。しかしクライアントのために工数をかけるのは当たり前のことです。工数がかかるからやらないというのは、面倒だからやりたくないと言っているようなものです。もともときちんと仕事をやる習慣がなく、やれと言われてもできる人間がいない会社なのかもしれません。
一方、信用するに足る会社が出す月次レポートは、まず文章で資料のどこをどう見たらいいか分かるように説明してあります。情報量も多く、曜日別、地域別、時間別、デバイス別(PC、スマホ、タブレット)など細かく集計されています。その数字をもとに、次に何をするとよいかという提案もあります。それも根拠となるデータを細かく分析しているので、この時間帯にピンポイントで出すとか、逆にこの時間帯は取れないから止めるというように、きめ細かな提案があります。クライアントはそれを見て、これはやってもらう、これはまだやめておこうと、すぐに判断ができます。