ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

1カ月で売上2倍増のリスティング広告活用法

センスの無い人がウェブマーケティングに関わるから売上が伸びない

 

ウェブマーケティングは、インターネットを利用して、それ以前にはなかったようなセールスプロモーションを可能にしました。売上を大きく伸ばし、儲からなかった企業を儲かる企業にできるだけのインパクトを持っています。

 

ネガティブな話ばかりしてきましたが、効果が出ないのは問題のある会社がやっているからです。要はウェブマーケティングのセンスが無い人がやるから売上が伸びないのです。長年ウェブマーケティングに力を入れている企業ほど、来る人はみんなうさん臭いといった不信感を持ってしまっています。しかし上手にウェブマーケティングを展開して事業を好転させ、売上アップに成功している企業は確実に存在しています。

 

ウェブマーケティングのセンスが無い人がやるから売上が伸びないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
ウェブマーケティングのセンスが無い人がやるから売上が伸びないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

例えば、ある住宅用設備の施工会社では、それまではリスティング広告を自社で運用していたのですが、ネット経由の受注は少なく、どうしたらいいかと悩んでいました。そこでウェブマーケティングの手法を見直したところ、1カ月の売上を2倍以上に増加させることができました。

 

設備の故障などのトラブルが起きて困ったとき、昔ならば電話帳を開いてすぐに修理や交換をしてくれるところを探しましたが、今ではネット検索で最初に目に留まった会社に連絡する場合が増えています。ですから修理系のビジネスモデルとリスティング広告とは相性がいいといえます。

 

そこで広告を出す地域を自社の営業エリアを中心に絞り込み、設定を細かくやり直したところ、すぐに効果が現れて、事務所の電話が鳴りっぱなしになりました。営業エリアからの問い合わせが急増したことから、リスティング広告の効果であることは明らかです。

 

また、リスティング広告だけでなく、過去に同じようなトラブルについて検索したことがある人が見ているウェブページ上にもバナー広告を出しています。これはディスプレイネットワーク広告の配信方法のひとつです。このようにリスティング広告とディスプレイネットワーク広告の合わせ技によって受注件数も売上高も急上昇しました。

 

その結果、工事をする職人さんが忙しすぎて、注文が来ても行くことができなくなりました。しかたなく通常とは逆にリスティング広告の反響をいったん抑える運用をして、その間に採用活動をして社員を増やし、営業エリアも広げるなど、この成功を機に事業を拡大していくことにしました。

次ページ緻密なリスティング広告で売上を倍増させる方法
増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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