ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

「あなたの会社の制作部門はどういう態勢ですか」

広告代理店の制作能力をさぐる質問をする

 

広告代理店からウェブマーケティングの営業に来たときには、効果的なプロモーションにつながるようなサイトが制作できるかどうかを確かめておきましょう。実際に手がけたウェブページを聞いて、見てみるだけでなく、「あなたの会社の制作部門はどういう態勢ですか」といった質問を投げてみます。

 

「制作部門の専任の担当が営業と常に連携しています」という答えが返ってくれば、事案に合わせたクリエイティブができる態勢になっている会社と考えてよいでしょう。

 

しかし部門がばらばらに動いていてディレクター不在の広告代理店もあります。「クリエイティブは別部門でやっています」という言い方をしてくるところは、社内に制作部門があっても他部門との連携が薄いか、社外に丸投げしていて融通が利かないおそれが大です。営業担当が制作のディレクションをした経験がなかったり、そもそも制作の実績がない会社は、基本的にはお付き合いしない方が無難です。

 

いろいろ質問して「これは手を抜けないな」と思わせることが大事だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
いろいろ質問して「これは手を抜けないな」と思わせることが大事だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

その会社のクリエイティブの能力を見るには「当社のサイトを見て、変えた方がいいところがありますか」「どうすればもっと反響が取れるようになりますか」という質問も有効です。すぐに複数のアドバイスを提示して、言っている内容が的外れでなければ、おそらくディレクションをした経験のある人です。しかし「サイトのことはよく分からないので……」といった頼りない返事しかなければ、その会社も頼りないに違いありません。

 

このほかに、契約前にチェックしておきたいポイントをまとめておきます。

 

まず「広告サービスの管理画面は見られますか」と忘れずに聞いておきます。クライアントに管理画面を見せず情報を共有しないところは、裏で何をされるか分かりませんから、契約をしてはいけません。

 

「リスティング広告では、キーワードは部分一致ばかりで運用していませんか」

「ディスプレイネットワーク広告では、どれぐらい細かくセグメントを切っていますか」

 

この本をここまで読んでいれば、こうした質問もできます。ずいぶん細かいことを聞いてくると相手は思うかもしれませんが、多くの広告代理店がこのへんをおざなりにしています。

 

ディスプレイネットワーク広告では、グーグルでスマホのアプリに出稿していないかも聞いておきます。出稿するとほぼ無駄な出費になってしまいます。「このクライアントはアプリに出したらまずいな」とまず思わせておくためにも、意味のある問いかけになります。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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