株式投資は「下がった時がチャンス」
1,000株買うと購入金額が100万円で、毎年3万円の配当をもらえるある銘柄Aがあったとします(配当利回り3%ということです)。
ところがその株が値下がりし、毎年3万円の配当をもらえるのは変わらずに、1,000株が90万円で買えるようになりました(配当利回り約3.33%ということです)。
さて、この株を買いたいと思っているあなたにとって、株の値下がりは残念なことでしょうか?
そんなことはありません。むしろ、株の値下がりは歓迎すべきことでしょう。
このように、投資家にとっては基本的に、実は株価が下げた時ほど投資の好機だといえます。ですから、「連れ安」のニュースを目にした時などは、株の購入を検討してもよいタイミングといえます。
下がった時点での「株価の割安度」が重要
しかし、連れ安で下げた銘柄ならばどれでも買うべきだ、というわけではありません。
たとえば先ほどの銘柄の例では、下げた時点で配当利回りが約3.33%となります。もしこれが、1%だったらどうでしょうか?
そうなると、元々割高だったのが少し下がっただけ、という評価をしてもよいかもしれません。
今は配当利回りを基準に考えましたが、株価の割安度は、PERやPBRなどでも考察することができます。また、成長性の高い銘柄ならば、現在は割高でも将来的なことを考えれば割安だ、という判断も可能です。
結局、連れ安で下がった銘柄であっても、ただ闇雲に買えばよいというわけではないのです。一銘柄ずつしっかりとその企業を評価し、その時点で割安である、つまりその企業の持つ価値以上に株価がつられて下がっている場合に限り、買いの好機であるといえるのです。
また、たとえば配当利回りやPER、PBRといった数値における割安度の他にも、連れ安銘柄全体の回復見込みや、その銘柄の強みも考えることで、より確実性の高い投資をすることができるでしょう。
同業や関連会社がまとめて連れ安で下がっても、そのあと反転し、連れ高となる場合もあります。
たとえば、鉄鋼、化学、紙パルプなどの素材産業や工作機械などの設備投資関連産業は「景気循環株」と呼ばれ、好況期と不況期を交互に繰り返す傾向が見られ、そのつど連れ安になったり連れ高になったりしがちです。ですから好況期に入ったならば連れ高が見込めますので、そのタイミングが投資のチャンスとなります。
また、連れ安で一斉に下げた銘柄の中でも、市場における何らかの強みを持ち、他の銘柄よりも下げ幅が少ない銘柄、回復が早い銘柄もあります。
ですから連れ安株も一銘柄ずつしっかりと評価をすることで、そういった銘柄を探し出すことが可能となるのです。
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