「スキャルピング」は「ローリスク・ローリターン」
スキャルピングの特徴の1つに、ローリスク・ローリターンであることがあげられます。
株式市場においては、株価が1年で10倍以上になる「テンバガー」銘柄が出現することがありますし、成長株を長期保有することで、何百倍、何千倍といったそれ以上の値上がりを享受できることもあります。
しかし、ごく短時間で売買を完了するスキャルピングでは、そのようなリターンを得ることは不可能です。株価が瞬時にそのような値動きをすることはないからです。いわば「ローリターン」であるスキャルピングでありますが、一方でそれは、「ローリスク」であることの裏返しであるともいえます。
株価は、上がる時と同様に下がる時もまた、一定の時間が必要です。そしてスキャルピングでは、その時間をかけずに取引を完了させますので、下がる時もそう大きな損失とはならないのです。このローリスクであることを考えると、「とにかくトレードをしてみたい」と考える初心者にも、実はスキャルピングは適した手法なのかもしれません。
スキャルピングは偶然に左右されやすい手法
スキャルピングのもう1つの特徴は、偶然に左右されやすい手法だということです。
基本的に、その企業の業績の伸びにともない、株価というのは上昇する傾向があります。要するに、良い会社の株は上がるのです。しかしながらそれは、長期的に見れば、という条件がつきます。良い会社は長期的に見れば相応の評価を得られるものですが、その間は、過小評価されたり過大評価されたりしながら、株価を上下させているのです。
一方で、短期で見れば株価というのは、分析不可能に下がったり上がったりを繰り返す傾向があります。要するに、短期での株価の変動は、偶然に左右されがちだ、といってもよいのです。そして、最も短期なトレードであるともいえるスキャルピングにおいては、その傾向も顕著になります。それもまた、スキャルピングの特徴の1つだといえるのです。
なお、トランプのゲームに例えるならば、以下のようにいえるのではないでしょうか。
●長期投資:ポーカー、ジンラミー、七並べなど、運の良し悪しもありつつ、プレイヤーの戦略によって勝敗がある程度コントロールされるゲーム
●スキャルピング:ババ抜きなど、運の良し悪しが勝敗に大きく影響するゲーム
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