保有株式の再上昇を待ち続け、結果的に損失拡大……。株式投資の初心者であれば、そんな苦い経験をした人は多いでしょう。しかし、あらかじめ「この株価以下になったら売ろう」と決めておくと、感情を排した機械的なロスカットが可能となり、大きな損失を防げます。今回は、「ロスカットする株価」の計算方法について考えていきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

大雑把でいいから計算しておくことが大切

このように、妥当な株価とともに予測できる下限株価を決めておき、その下限株価をそのままロスカットする基準とすればよいのです。自分の想定を超えた範囲で値動きする株を持っているのは、あまりにもリスキーだからです。

 

もちろん、その株価はあくまで、仮定しているだけのものです。妥当な株価、つまりその会社の値段というのは、非常に曖昧で、正確に判定するのが難しい値だといえます。

 

ここではPERなどの一般的な指標を参考にして計算しましたが、いろいろな計算方法があるものですし、厳密にその値を算出するのは不可能だといってもよいでしょう(なお、各種の計算方法は「企業価値評価」という分野ですので、興味のある方は勉強してみてください。株式投資にとても役立つはずです)。

 

しかし、大雑把でいいから計算しておくことは、とても大切です。というのも、いざという時に人間は、ロスカットに踏み切れなくなりがちだからです。ですからそこに明確な数字を与えておくことで、機械的なロスカットが可能になるのです。

 

加えて、そもそも妥当な株価と予測できる下限株価は、安全側に(厳しめに)見積もっておけばよいでしょう。株というのは、安く買えば買うほど、値上がり益が大きくなるものなのですから。

 

たとえば先ほどのA社ならば、10,000円でなく、「厳しく見積もれば、8,000円が妥当で4,000円までは下がるだろう」と考えてより安く買えば、値上がりした分の利益は多くなりますし、6,000円を切ってもまだロスカットの対象とはならなかったのです。

 

■まとめ

予測できる下限株価=ロスカットする株価

 

株価は様々な要因により変動しますが、分析不可能な要因、つまり単なる偶然のようなものでも変動します。そこで株を買う時は、その銘柄の妥当な株価と、予測できる下限株価を計算しておきましょう。

 

計算方法としては、PERやPBR、配当利回りといった、割安度を示す指標を基準にして計算する方法などがあります。そして、その下限株価を下回った場合は、当初の評価が誤りだったということです。ですからその時が、ロスカットのタイミングなのです。

 

いざというときに人間は、ロスカットに踏み切れなくなりがちです。ですからその金額を決めておくことで、機械的なロスカットが可能となります。また、あらかじめ安全側に計算しておくことで、値上がり益を大きく得られる可能性や、ロスカットをしなくて済む可能性も高まります。

 

 

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