大雑把でいいから計算しておくことが大切
このように、妥当な株価とともに予測できる下限株価を決めておき、その下限株価をそのままロスカットする基準とすればよいのです。自分の想定を超えた範囲で値動きする株を持っているのは、あまりにもリスキーだからです。
もちろん、その株価はあくまで、仮定しているだけのものです。妥当な株価、つまりその会社の値段というのは、非常に曖昧で、正確に判定するのが難しい値だといえます。
ここではPERなどの一般的な指標を参考にして計算しましたが、いろいろな計算方法があるものですし、厳密にその値を算出するのは不可能だといってもよいでしょう(なお、各種の計算方法は「企業価値評価」という分野ですので、興味のある方は勉強してみてください。株式投資にとても役立つはずです)。
しかし、大雑把でいいから計算しておくことは、とても大切です。というのも、いざという時に人間は、ロスカットに踏み切れなくなりがちだからです。ですからそこに明確な数字を与えておくことで、機械的なロスカットが可能になるのです。
加えて、そもそも妥当な株価と予測できる下限株価は、安全側に(厳しめに)見積もっておけばよいでしょう。株というのは、安く買えば買うほど、値上がり益が大きくなるものなのですから。
たとえば先ほどのA社ならば、10,000円でなく、「厳しく見積もれば、8,000円が妥当で4,000円までは下がるだろう」と考えてより安く買えば、値上がりした分の利益は多くなりますし、6,000円を切ってもまだロスカットの対象とはならなかったのです。
■まとめ
予測できる下限株価=ロスカットする株価
株価は様々な要因により変動しますが、分析不可能な要因、つまり単なる偶然のようなものでも変動します。そこで株を買う時は、その銘柄の妥当な株価と、予測できる下限株価を計算しておきましょう。
計算方法としては、PERやPBR、配当利回りといった、割安度を示す指標を基準にして計算する方法などがあります。そして、その下限株価を下回った場合は、当初の評価が誤りだったということです。ですからその時が、ロスカットのタイミングなのです。
いざというときに人間は、ロスカットに踏み切れなくなりがちです。ですからその金額を決めておくことで、機械的なロスカットが可能となります。また、あらかじめ安全側に計算しておくことで、値上がり益を大きく得られる可能性や、ロスカットをしなくて済む可能性も高まります。
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