いつの時代も尽きない離婚トラブル。相手がなかなか合意してくれない、条件が折り合わない…など、離婚するだけでも大変なものですが、その先にはさまざまな壁が立ちはだかります。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は事例から、母親の「不倫」が親権者扱いにおいて不利な条件となるのか、見ていきましょう。

大阪高等裁判所平成21年9月17日決定では…

質問のケースは、大阪高等裁判所平成21年9月17日決定の事案とほぼ同様の事案ですが、大阪高等裁判所はこのような事案で、

 

「相手方(母親)については、抗告人(父親)と同居中、 未成年者らを寝かしつけてから深夜まで、遊びに出かけ、さらにこれが高じて不貞行為にまで至ったものと認められるが、 (中略) そのために未成年者らの監護を疎かにしたような具体的事実や、 未成年者らに対して悪影響を及ぼしたような具体的事実は認められない」

 

「加えて、 (中略)従前のような遊びは控えざるをえないし、転居によって監護者としての自覚もできていることを考慮すれば、現時点においては、未成年者らの監護よりも自己の快楽の追求を優先するようなことは考え難い。」

 

と述べ、不倫をしていた母親に子どもの監護権を認めました。

 

もっとも、不倫をしていたことで育児・養育がおろそかになっていた、とか、自分の欲望を優先して子どもに配慮できない性格である、などという事情が認められれば、不倫をしていたということが子どもの実際の養育に悪影響を及ぼしていることになりますので、それは親権・監護権争いのなかで不利な要素になります。

 

 

※本記事は、北村亮典氏監修「相続・離婚法律相談」掲載の記事を転載・再作成したものです。

 

 

北村 亮典

こすぎ法律事務所弁護士

 

 

 

 

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