いつの時代も尽きない離婚トラブル。相手がなかなか合意してくれない、条件が折り合わない…など、離婚するだけでも大変なものですが、その先にはさまざまな壁が立ちはだかります。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は事例から、子ども名義の預金は財産分与の対象になるのか、見ていきます。

子ども名義の預金も「夫婦の共有財産」なのか?

Q.これまで、子どもの出産祝いや入学祝いでもらった祝い金については、子ども名義の銀行口座を作って、そこに貯金しておきました。

 

その後、夫と離婚することになり、私が子どもを引き取ることとなったので、子ども名義の預金もそのまま私が管理しようとしたのですが、夫から「離婚するんだから、子ども名義の預金も半分に分けるべきだ」といわれました。

 

子ども名義の預金も離婚の際は財産分与で分けなければならないのでしょうか?

 

「子ども名義の預金」も財産分与の対象になるのか?(画像はイメージです/PIXTA)
「子ども名義の預金」も財産分与の対象になるのか?(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.祝い金等を貯めた子ども名義の口座の場合には、子どもの財産となるので財産分与の対象とはならないと考えられます。

 

また、子どもの将来の教育費のため、結婚資金等子どものために使う意図で預金したものであった場合も同様に財産分与の対象とならない可能性があります。

離婚時の財産分与は、「2分の1ずつ」が基本

夫婦が婚姻期間中に取得した財産は、それが夫か妻かのどちらの名義の物であっても、夫婦が協力して取得した財産とみなされます。

 

たとえば、預金や不動産、自動車など、全て夫名義であったとしても、それが婚姻中に取得したものであれば、原則として財産分与の対象となり、離婚時に2分の1ずつ夫婦で分けるということとなります(これを清算的財産分与といいます)。

子どもの名義の預金は、財産分与の対象となるのか

子どもの出産後に、子ども名義の預金口座を作って、子どもの出産祝いや入学祝いなどの祝い金をその口座に預金したり、子どもの将来の教育費などの備えとしての貯金を子ども名義の口座に預金したり、ということは多くの家庭で行われています。

 

このような「子ども名義の預金」は、その後夫婦が離婚に至ってしまった場合、離婚時の財産分与の対象として夫婦で分けなければならないのでしょうか。

 

子どもと今後暮らして養育していく妻の立場としては、「子どものために貯めた子ども名義の預金だから、夫婦で分けるのではなく子どものものとして扱うべきだ。」といういい分になるでしょう。

 

果たして、このようないい分は認められるのでしょうか。

 

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