ボストン在住の大西睦子医師。何度も一流誌に論文を発表し、各メディアに連載を持つなど方々で活躍している。転機となったのはアメリカ留学だった。しかし渡米当初は英語が流暢というわけでなく、交流関係が築けなかったという。八方塞がりだった筆者はいかにして成功を掴んだのか? その秘密である「情報収集」と「伝え方」について、実体験をもとに紹介する。※「医師×お金」の総特集。GGO For Doctorはコチラ

学術論文に限定せず幅広く検索…情報収集のコツ

医学・生物分野の優れた学術研究を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。私はまず、米国立医学図書館が提供する文献データベース「PubMed」を利用しています。

 

この他、「scholar.google.com」でも優れた研究を検索することができます。なお、医学・生物分野に焦点を当てたジャーナルに限定せずに、社会問題や経済など、別の領域のジャーナルにも質の高い研究を見つけることができます。

 

また、一般的なGoogle検索でも、トピックに関するニュースやサイトを簡単に見つけることができます。米国のニュースやサイトは説明がわかりやすく、さらに引用元が明記されているものが多いので便利です。

毎日、短時間で「各分野の最新論文」をチェック

ハーバード大学の研究所のメーリングリストには、毎日、新しくて画期的な論文を紹介するメールが送られてきました。わかりやすく簡単にまとめられているので、自分の研究とは違う分野であっても、短時間でその研究のトレンドを知ることができます。

 

今現在は科学プレスリリースサービスを購読して、毎日、最新の論文を確認しています。その後にはニューヨークタイムズやボストングローブ、CNNやFoxニュース、ワシントンポストなどのニュースの見出しにざっと目を通し、面白そうな記事をピックアップして熟読します。ここでは科学や健康に限らず、政治や経済、文化などすべてのトピックを含めて読みます。その後はメールで仲間に興味深い記事をシェアして、意見のやりとりをします。

「人間同士の関わり」でしか得られない情報も…

私はこのようにして、米社会のコミュニティで人間関係や友情を育みながら、気楽に自分の考えや意見を正直に話すようになりました。そして、より多くの情報を得ることができるようになったのです。

 

ちなみに水泳、ランニング、ダンス、音楽などのさまざまな活動に参加することで、多様な人々と出会うことができます。一般的に、活動的な人であればより外交的な印象を与えられるため、仲間を惹きつけやすくなります。こうしたネットワークから、インターネットの検索では見つからない貴重な経験などの情報を学ぶことができます。

「信頼できる情報」を集めるポイント

情報の種類によっては、出所に注意する必要があります。たとえば「ソーシャルメデイア」は、バイアスが高いため情報収集には不向きです。また、情報が信頼できるかどうかを判断するために、利益相反を確認することも忘れてはいけません。

 

以上、私の経験に基づいて「情報を収集する方法」を紹介しました。この方法は、私自身には効果的でしたが、他の人にとって必ずしも有効というわけではありません。それぞれ自分に合った方法を見つける必要があるでしょう。ただし、どんな方法を選ぶにせよ、情報取集は「好奇心をもって質問すること」から始まるということを忘れずに。

 

 

大西 睦子

内科医師、医学博士

星槎グループ医療・教育未来創生研究所 ボストン支部 研究員

 

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