「この悪い手縛ってもいい?」と聞くと…
あまり動くので私も頭にきてせわしく動く手を握り、「このせわしない悪い手、自分で叩いときなさい」と言うと、自分の手をパンパンと叩く。またある夜は、「この悪い手縛ってもいい?」と聞くと、縛ってと手を出す。ところが縛った途端、すぐ解きにかかりその都度駄目だった。その集中力やすごいものがある。
多分、子供の頃は少しもじっとしていないやんちゃな子だったのだろう。でもきっと言うことはきかないが気の可愛らしい子だったに違いない。息子の二、三歳の頃を思い出し、何だかいじらしく思え、怒りが萎えることもしばしばだった。
本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の『嫁姑奮戦記』を再編集したものです。