入院中に大腿骨を骨折した姑。手術は成功した一方で、介護の負担が減ることはなかった。息子夫婦の協力によってつかの間の休息をとることができたものの、癇に障るお見舞いや姑の理解できない言動に今後への不安が募っていく。 ※幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『嫁姑奮戦記』を連載でお届けします。

「この悪い手縛ってもいい?」と聞くと…

あまり動くので私も頭にきてせわしく動く手を握り、「このせわしない悪い手、自分で叩いときなさい」と言うと、自分の手をパンパンと叩く。またある夜は、「この悪い手縛ってもいい?」と聞くと、縛ってと手を出す。ところが縛った途端、すぐ解きにかかりその都度駄目だった。その集中力やすごいものがある。

 

多分、子供の頃は少しもじっとしていないやんちゃな子だったのだろう。でもきっと言うことはきかないが気の可愛らしい子だったに違いない。息子の二、三歳の頃を思い出し、何だかいじらしく思え、怒りが萎えることもしばしばだった。

 

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の『嫁姑奮戦記』を再編集したものです。

 

 

嫁姑奮戦記

嫁姑奮戦記

大野 公子

幻冬舎メディアコンサルティング

入院早々骨折、幻覚幻聴、物忘れ……病院を騒がせる姑と嫁のやり場のない戦い。 介護する側、される側、双方には今日に至るまでの歴史がある。 血縁だけでは語れない愛がそこにはあった。 嫁が綴った過去の日記をもとに、「…

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