このまま逝ってくれたら。
このまま逝ってくれたらという思いが一瞬よぎったのである。ところがタオルなど関係なく姑は大きく息を吐いた。これくらいで死ぬもんかと言わんばかりに。危うい思いはその後起きることはなかった。姑は自分も私をも救ったのだ。
一方、夜の活動は相変わらず激しい。点滴の針を抜かないよう結んである紐から手を引き抜こうとひねるので肩痛がひどい。手すりを持って寝たり起きたり、手すりを結んである紐を解こうとしたりは相変わらずだし、痛くなるはずである。
布団をたたんだり広げたり下に落としたり、枕を落としたりお尻に敷いてあるバスタオルを外して下に放り投げたり、全くよく動く。その時は一向に疲れないらしいが、翌朝肩にこたえるのだ。正気だったら肩どころか全身痛だろう。
レントゲンでは異常はないが日中は肩痛でお茶碗も持てないし、車椅子への移動もトイレへの移動も自力では出来ないほどだ。それが夜になるとどうしてせわしく動けるのか不思議でならない。