娘激怒「もういい加減にしてよ!」…認知症父のすごすぎる光景

「親が認知症で要介護」という境遇の人は今後、確実に増加していくでしょう。そして、介護には大変、悲惨、重労働といった側面があることも事実です。しかし、介護は決して辛いだけのものではなく、自分の捉え方次第で面白くもできるという。「見つめて」「ひらめき」「楽しむ」介護の実践記録をお届けします。本連載は黒川玲子著『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』(海竜社)から一部を抜粋、編集した原稿です。

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利用者の介護はできても、自分の親は無理の理由

親の介護をなめていた

 

今まで、あまり大きな声を出して怒ったことのない父がよく怒るようになった。おまけに、毎日同じものを買いに行く。明らかに認知症の初期症状に違いない!と確信した私は、主治医の先生に相談し「脳梗塞の検査」だと適当なことを理由に、脳神経外科を受診してもらった。やっぱり、結果はアルツハイマー型認知症だった。

 

2000年に介護保険が施行された2年後、私は雑誌の取材でお世話になった社長さんにお声がけをいただき、介護の会社にお世話になることになった。

 

訪問介護からスタートしたその会社は、あれよあれよという間に成長し、グループホーム(認知症で介護が必要な高齢者が入居できる施設)や介護付有料老人ホームを数多く運営するようになっていった。私も認知症の利用者様と接する機会が多くなり、「認知症の人ってかわいいから大好き」とか、「グループホームは楽しいわよ~」なんて、ろくに現場の大変さも知らないくせに、今思うととんでもないことを言っていた。

 

じーじの精神安定剤はビール。写真は大好きな濁り酒で乾杯。写真提供=黒川玲子
じーじの精神安定剤はビール。写真は大好きな濁り酒で乾杯。写真提供=黒川玲子

おまけに、スタッフさんが「利用者様の介護はできるけど、自分の親になったら無理よ。感情が先にきちゃってさあ、イライラしてつい怒っちゃうのよ」なんて話を耳にしても、

 

「へ~そんなもんかいな、親にイラついてどうすんだよ」なんて、上から目線で思っていたのだが……現実は甘くなかった!

 

まあ、父のすることなすことすべてがなんだかイラついたのである。例えば、

 

・食べもしないのに、昆布のおにぎりを毎日買ってくる。
➡ 食べないなら買ってこないでよ。なんで私が毎日、食べたくもないおにぎり食べなきゃなんないの!

 

・自転車に乗るなと言っても乗る(何度も転んでいる実績あり)。
➡ 出会い頭に人にぶつかって怪我させたらどうするのよ。何度も転んで怪我してるんだからいい加減にやめてよ!

 

・自転車を処分したら、バスに乗って駅まで行き、食べもしないお惣菜を買いに行く。
➡ 私の作った夕飯が気に入らないんですかね!

 

・階段から降りてこられないので2階に上がるな、と言っても2階に上がる。
➡ 一人で降りられないなら、2階に行かないでよ!2階から呼ばれるたびに、降ろすの手伝う私の身にもなってよ!

 

といった具合である。

医療福祉接遇インストラクター
東京都福祉サービス評価推進機構評価者

埼玉県生まれ。博報堂勤務を経て、埼玉県内の介護事業会社勤務。医療福祉接遇インストラクター、東京都福祉サービス評価推進機構評価者。2001年より成長期の大手介護事業会社において、広告宣伝室室長として、社外向けの広報誌の作成、入居者促進業務に携わる。
2015年、株式会社ケー・アール・プランニング設立。編集プロダクションとして介護・福祉を専門とした雑誌の編集を行う傍ら、接遇マナーインストラクターとして、介護付有料老人ホームやデイサービス等で介護の現場に即した研修を行っている。

著者紹介

連載見つめてひらめく介護のかたち「楽しむ介護」実践日誌

認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌

認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌

黒川 玲子

海竜社

わけのわからない行動や言葉を発する前に必ず、じーっと一点を見据えていることを発見! その姿は、どこか遠い星と交信しているように見えた。その日以来私は、認知症の周辺症状が現れた時のじーじを 「認知症のスイッチが入っ…

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