「ファスティング(断食)」がもたらす本当の効果は?
最近は「断食ダイエット」に挑戦する人も多いようです。断食ダイエットはもはや体験型イベント化していて、希望者がリゾート施設や寺院などで2、3日、生活をともにしながら取り組む合宿形式での断食ダイエットも流行っています。
ファスティングに関心を持つ人のなかには、ダイエット効果を期待して始めようとする人も多いかと思います。もちろんシンプルに考えれば、食べなければ痩せるはずですので、当然一定の効果は期待できるとは思います。
私個人も、ファスティングの機会を意図的につくること自体は、現代人にとって有益であるとも考えています。
ですが、ファスティングには、「食べなきゃ痩せる」という単純な引き算効果よりも、胃腸を休ませるという効果のほうがむしろ大きな意味があると考えます。
というのも、日常生活では、糖や脂質の過剰摂取だけでなく、多くの添加物や農薬などの有害物質を知らず知らずのうちに摂取し、消化吸収を司る胃腸を中心とした臓器に負担がかかり、内臓機能や代謝機能に悪影響が出かねないからです。
特に、胃腸をはじめとする消化管は、毎日あなたの身体をつくる栄養素を消化吸収し、代謝の基盤を担う大切な臓器です。また、消化管粘膜は外界に晒されており、あなたを有害物質から守ってくれる免疫の最前線で活躍する臓器でもあります。
ファスティングには、胃腸を休ませ、こうした体内の毒素や老廃物を除去する解毒効果や代謝改善効果が期待できる側面が大きいのです。
したがって、ファスティングは消化管を労わり、休ませる目的で取り組むべきであり、ダイエットの安易な一手段と考えるべきではありません。
逆に、ファスティングを単純な引き算としてだけで考えて取り組んでしまうと、体調を崩しかねませんので、もし取り組んでみようと思われるのであれば、独学ではなく、知識や経験を持った人の指導のもとで行うべきかと思います。
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