廃業や開業に伴う「多額のコスト」を削減
●建物や設備の承継
廃業を検討する場合、病院建物の取り壊し、設備の廃棄などに多額の費用が必要になりますが、譲渡することでこれが不要になります。
譲受側から見ると、既存の建物や設備が活用できることは、初期コストの削減につながります。
●不動産、エリア
病院の建物が建つ土地が理事長個人の所有で、それを医療法人に貸し付けているというケースがよくあります。その場合、土地は理事長が個人所有したままにして、M&Aの対象医療法人に貸し付けて地代を得る方法を取れば、理事長のリタイア後の安定収入源となります。譲受側からすると、新規に病院用地を探さなくていいことが大きなメリットです。
また、土地とは違いますが、エリアという観点から見ると、すでに病床が満たされているエリアで新規に病床を増やす許認可はなかなか下りません。その場合でも、M&Aを通じての取得なら病床を増やせることが、譲受側にとってのメリットでしょう。
余語 光
名南M&A株式会社 事業戦略本部 医療支援部 部長
認定登録医業経営コンサルタント登録番号7795号/医療経営士
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走