日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点を当てるのは「定年後の生活」。65歳で現役を引退し、公的年金を頼りにした老後の生活……実際、どのような暮らしだと思いますか?

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年間消費支出は二人以上世帯平均352万円。それに対して65歳以上世帯は平均303万円。平均世帯人数が前者は2.97人、後者は2.43人と0.5人ほど差があるので、消費支出の差は構成員数の差によるものと考えられます。

 

そんななか、65歳以上世帯の平均支出が二人以上世帯の平均を上回るの項目が散見され舞う。まずは「米」で、年間2322円の差。さらに「うどん・そば」も全世帯平均を上回ります。

 

また「魚介類」は年間9万4240円で、二人以上世帯平均を2万円以上も上回る一方で、「肉類」は年間8万2118円で、世帯平均を7000円近く下回ります。そのようななか、「牛肉」は年間2万4156円と、世帯平均を2978円ほど上回っています。「医者から赤身肉を食べなさいと言われた」などと、高齢者から聞いたことはないでしょうか。高齢者、肉のなかでは唯一「牛肉」は積極的に口にしているようです。

 

さらに「野菜」「果物」、調味料では「食塩」「しょう油」「みそ」「砂糖」「酢」が世帯平均を上回っています。一方で外食費は全般に世帯平均を下回っていることから、健康志向で、和食中心の食事を自炊する高齢者世帯の姿がみえてきました(図表2)

 

出所:総務省「家計調査」2019より制作
[図表2]65歳以上世帯の食品関連の消費支出 出所:総務省「家計調査」2019より制作

 

健康のために昔ながらの魚中心の和食を自炊している……伸び続ける日本の平均寿命の陰には、このような高齢者の暮らしがあるのかもしれません(関連記事:『都道府県ランキング「長生きできる」ご長寿県はどこだ?』)。

 

ほか、高齢者世帯平均が世帯平均を上回るものをピックアップしていくと、高齢者の暮らしがより鮮明にみえてきます。

 

■「タクシー」…年間6295円(1498円)
■「園芸用品」…年間6665円(2452円)
■「書籍」…年間4万7619円(7060円)
■「新聞」…年間3万7803円(9555円)
■「パック旅行」…年間5万3043円(7044円)
■「ゴルフプレー料金」…年間1万3062円(3722円)
■「スポーツクラブ料金」…年間6805円(929円)
■「理髪料」…年間5992円(853円)
■「パーマネント代」…年間4807円(1462円)

※カッコ内金額は世帯平均との差

 

「交際費」も全世帯平均を2万4000円近く上回っていることからも、活動的に余生を楽しむ高齢者の姿が眼に浮かびます。

 

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