濃厚接触は脳梗塞、少額投資非課税制度は…
聞きまちがい
実はじーじ、無口な人なのである。認知星人に変身すると、急に饒舌になるのだが、それ以外はあまり口をきかない。この日は、息子(私の弟)が帰って来たので朝からご機嫌。昼からビールを飲み、日頃の私への不満を話している。
この光景、まさしく「在宅介護あるある」。毎日お世話をしている人には決して見せないような笑顔で、お世話している人を悪く言うあれですよ!
ちょっと、イラッとしたので「何話してるの?」と聞いてみた。「お! 今コロナウイルスの話をしてたんだ」とじーじ。素晴らしい状況判断と、素早い切り替えし! まだまだ、判断力は残っているなとひと安心。
「都内は感染した人がいるからお前も気をつけろよ。マスクにうがい手洗いを忘れずにな」と、息子の心配をするじーじ。
「でもさあ、通勤時間帯は乗車率がすごいから、どうしたって濃厚接触は避けられないからなあ」
「なに、脳梗塞! 若いのに脳梗塞になったのか? ガガガっていう機械(MRIのことらしい)に入って検査したか?」
どうやら、濃厚接触が脳梗塞に聞こえたらしい。
「へ? 脳梗塞? あ! 俺じゃなくて知り合いの人の話だよ」と、さすが弟、うまく話を切り替えた。それから先は、すっかり脳梗塞の話題になり、自分は2回も脳梗塞を起こしたのに、麻痺が残っていないと自慢げに話すのであった。
その後、話題は今じーじの一番の関心事の株の話に! 株の話は厄介なことになると内心ヒヤヒヤしながら聞いていると。
「俺はなNISAを始めてな、株で一儲けしようと思っているんだが、ところでお前、NISAって知ってるか?」
とじーじ。つい最近株で7千500万円の損失を出した(妄想)と大騒ぎしたしたことはすっかり忘れているらしい。
「知ってるよ、少額投資非課税制度のことだろ」
「なに? 正月?」
今度は、少額が正月に聞こえたらしい。
「もう正月か! この間、正月が来たばかりだと思っていたが、1年が過ぎるのは早いなあ……」しみじみと遠くを眺めるじーじ。
イヤイヤ! お正月まではまだ、10か月ありますから~!