
実は認知症のタイプにより症状や経過が少しずつ異なり、経過も治療も予後も介護の仕方も違ってきます。正しい診断を受けているか判断するためにも、認知症についての知識を深めておく必要があります。今回は、医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏の共書『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、認知症の検査方法について詳しく見ていきましょう。
頭部打撲後に、「認知症」の症状が見られたら…
頭部打撲後、1~2カ月後の間に急激に症状が悪化することが多く、症状として、頭痛、片麻痺(転びやすい)、記銘力低下(もの忘れ)などの認知症症状、失語、意欲低下、言語障害(言葉がうまくしゃべれない)、意識障害などが徐々に(あるいは急に)進行する場合に、この疾患を疑います。
特に頭部打撲の既往があるときは、この疾患を強く疑うことになります。脳梗塞や四大認知症などと症状が似ているため間違われることがありますが、CT、MRIなど画像診断を行うことで診断が確定します。
治療は比較的容易で、穿頭(頭蓋骨に10円玉から500円玉くらいの大きさの穴を開ける)をして、その穴に細いチューブを入れ血腫を排出させ、さらに血腫腔を洗浄・除去します。この施術により、多くの患者さんで認知症の症状、神経症状、精神症状が急速にまた著しく改善し、全く元通りになります。
血腫が比較的少量で、症状が軽い場合は、経過観察している過程で血腫が自然消退することも稀ではありません。
※本記事は連載『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。
梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
森 惟明
医学博士
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