50代息子を追い詰める、70代継母の「罵倒メール」
高齢化が進み、平均寿命が男女ともに80歳を超えたいま、熟年再婚をする人も増えているという。いくつになっても、好きな人ができたり、その人と一緒にいたいと思ったりするのは、悪いことではない。とてもステキなことだと思う。
だが、こと「結婚」となると話は変わってくるのだ。
熟年再婚、とくに子どものいる場合には、もれなく相続の問題がついてくる。
ご相談者の50代男性、板橋さんは、寝不足の疲れた顔でこう切り出した。
「夜中、毎日のように携帯へショートメールがくるんです。音は消すようにしているんですが、着信したときに画面が光るんですよ…。そこには、僕を罵倒する言葉が並んでいるんです」
ショートメールの送信相手は、80歳で亡くなった板橋さんの父親、良夫さんの後妻の周子さん(70歳)である。メールを見せてもらうと、「お金に汚い。あんたなんて絶対信用しないから」といった、板橋さんをののしる言葉が綿々と並んでいる。
「遺産はちゃんと分けるつもりがあると、いくら説明しても信用してくれないのです。ほとほと困りました」
板橋さんはうなだれる。
父がしたためた遺言書の「問題箇所」とは
良夫さんは、70歳のとき、当時60歳の周子さんと再婚したという。当初、お互い子どももいるし入籍はしないといっていたが、同居をするようになると、「これではけじめがつかないから」と入籍したという。
入籍をきっかけに、良夫さんは遺言書を書いた。
というのも、板橋さんが亡き母親と住んだ思い出の実家はなんとしても、自分が相続したいと訴えたからだ。
「周子さんにも子どもがいます。普通に考えれば、10歳年上の父が先に亡くなるだろうし、そのときに周子さんがこの家を相続してしまうと、周子さんが亡くなったときには、周子さんの子どもがこの家を相続することになる。それは絶対に嫌だったんです。周子さんも自分の家を持っていますから、住むところがなくなる心配もありませんでした」
遺言書の内容は、「自宅は息子に相続させる」ということだけ。
しかし、ここに問題があったのである。
「父は、自宅は僕に相続させて、周子さんは自分の死後、元の家に戻って住めばいいといっていました。残りの財産については、2人で半分ずつ分ければいいとも話していたので、僕はそのことを周子さんも知っているものだとばかり思っていて…。でも、その話をしたとたん、周子さんが豹変してしまったんです…」
「すべて義理の息子が仕向けた」と思い込み…
それまで、後妻の周子さんと板橋さんの関係は良好だったという。
しかし、遺言書に自分の名前がなかったうえに、いまの家を出て行かされるのは、すべて義理の息子である板橋さんが仕向けたことだと思い込んだ周子さんは、それから件のショートメールを送ってくるようになったという。
「これみよがしに、弁護士のところに相談にいってくると連絡してきたり…。父はそれなりの金融資産も持っていたので、そちらを相続してもらえば、周子さんの老後は安泰だから、金融機関の手続きをするから待ってくれといっても、信用してくれません。本当に心身ともに、疲弊しています」
板橋さんは、がっくり肩を落とす。
実は、周子さんが豹変した理由はもうひとつあるという。それは「お墓問題」だ。
「周子さんは、自分が板橋の家の墓に入るものだと思っていました。でも、僕は亡き母も眠る墓に周子さんに入ってもらうつもりはありませんでした。周子さんにも子どもさんがいますから、お墓のことはお子さんと相談してくれと伝えたのですが、それも気に入らなかったようで…」
かわいそうな板橋さんである。
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