「外階段にしたら?」仲良し夫婦に奇妙な提案…その理由に驚愕

毎年恒例、幻冬舎ゴールドオンラインの相続特集が開幕! 本連載では岡野雄志税理士が相続トラブルについて解説していきます。今回は、二世帯住宅を建てようとした仲良し一家の事例。 ※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

「家を建てようね」すると建築会社から奇妙な提案が…

二世帯住宅で1階に親世帯、2階に子世帯が暮らすご家庭も多いことでしょう。しかし、居住する建物を1階と2階で登記上「区分所有」していると、宅地は親のみの所有とみなされ、親から子への相続が発生した際、相続税を減額できる「小規模宅地等の特例」が適用できない可能性があります。そこで、対策となるのが「固定資産の交換の特例」です。

 

■事例

 

Dさん親子は仲が良く、息子さんの結婚後もご夫婦ともに関係は順調でした。

 

Dさんの息子さんにお子さんが生まれた際、Dさんと奥様が暮らすご自宅を建て直し、二世帯住宅にして、ご両親と息子さんご一家が同居されることになりました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

二世帯住宅の建築費はDさんと息子さんが半々で出し合うことになり、息子さんは建築費用のローンを組むことになりました。すると、建築会社からこんな提案をされたのです。

 

「区分所有にするため、1階と2階の行き来は外階段にしてはいかがでしょう?」

 

実は、二世帯住宅の建物の登記には、大きくわけて以下の3種類があります。

 

単独登記:二世帯住宅を親または子のどちらかが所有する1戸の建物とみなし、所有者の単独名義で登記する方法。

区分登記:二世帯住宅を親子が別々に所有する2戸の建物とみなし、親と子がそれぞれの名義で登記する方法。

共有登記:二世帯住宅を親子で所有する1戸の住宅とみなし、親と子の共有名義で登記する方法。

 

3番目の「共有登記」で共有割合を半々としてしまうと、親と子の建物の資産価値に大幅な差異がある場合、価額の大きい者から小さい者へ贈与があったとみなされ、贈与税が課されるので注意が必要です。

 

2番目の「区分登記」にすると、2軒分の登記費用はかかりますが、親と子の両方に減税措置や住宅ローン控除を適用でき、節税効果が期待できます。ただし、親世帯と子世帯の完全分離が条件です。そこで、構造上、親と子の住まいを別々にする「外階段」という提案になったのです。

岡野雄志税理士事務所 所長 税理士

昭和46年6月4日千葉県成田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。相続税専門の税理士。

2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、横浜に限らず全国各地の相続案件を1690件以上手がけてきました。特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。

相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

岡野雄志税理士事務所(https://www.souzoku-zei.jp/)

著者紹介

連載税理士・岡野雄志の「事例でわかる相続の恐怖」

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