ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

費用がかさむだけで広告効果が期待できない

一括サイトの落とし穴

 

引越や中古車買取など同じ業界の会社のサービスをまとめて紹介するサイトを、テレビCMでも見たことがあるかと思います。実際に利用した方も多いでしょう。まとめて見積もりを取ったり資料請求ができるサイトもあります。

 

このような「一括サイト」は、情報を載せている会社から広告料を受け取っています。情報を載せた会社にとってはネット広告なので、ウェブマーケティングの一種ということになります。

 

費用がかさむだけでピーアール効果はほぼゼロな一括サイトもあるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
費用がかさむだけで広告効果はほぼゼロな一括サイトもあるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

サイトのユーザーにとっては多くの情報が一カ所のサイトで見られるので便利に思えます。しかしこうしたサイトに広告料を払って掲載登録するのは、まったくお勧めできません。私自身、以前使ってみてすぐにやめてしまいました。その顛末は次の通りです。

 

そこはB2Bの企業ユーザー向け紹介サイトで、後藤ブランドは「広告・マーケティング」のカテゴリーで何十社のうちの一社として掲載されました。ユーザーからの問い合わせがあると掲載されている各社にその情報が流れるので、問い合わせをしたユーザーには突然何社からも電話がかかってきます。

 

その相手をするだけで大変で、こちらから連絡をしてもなかなかつながらず、ときには対応が面倒だという答えが返ってきました。アポイントメントがまったく取れなくても、サイト運営業者からは1件何万円の情報提供料を請求されます。紹介されたユーザーが増えると料金は何十万円にもなり、費用がかさむだけで広告効果はほぼゼロなのですぐに解約しました。

 

資料請求サイトも同じことで、問い合わせをするとたくさんの会社から資料が送られてきます。ほかに仕事を抱えている中でそれに目を通す暇もなく、電話がかかってきてもその会社の資料がどれなのかさえ分からなくなるほどです。

 

このように一括サイトは反響数は多いのですが、有効な問い合わせが得られず、ユーザーも対応が面倒になり、儲かるのはサイト運営事業者だけという構図です。

次ページ質の悪い反響しか得られない一括サイトの問題点
増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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