質の悪い反響しか得られない一括サイトの問題点
見かけだけの資料請求や問い合わせにだまされない
いっときは一括サイトにとりあえず載せておくのが当たり前といった風潮もありましたが、さすがにここに来て効果がないことが分かったのか、サイト離れの現象が起きています。顕著なのが住宅販売などの不動産業界で、大手の不動産会社が大量出稿を停止するのが目立ちます。当社のクライアントも次々に掲載を取り止めています。
それでもなくならないのは、一括サイトが多額の広告費をかけて集客をし、反響を獲得しているからです。一括サイトに掲載してさえいれば、反響は獲得できると思って、自社で顧客を獲得しようとしない会社がたくさんあります。言い換えれば、楽をして結果を出そうとしています。しかし広告主側の顧客獲得につながらないのは、当社の例で見た通りです。
実際には数多くの中の一社として掲載されるので埋もれてしまい、掲載のしかたもフォーマット化されているので、違いがよく分かりません。価格だけの競争になりがちで、肝心の自社の商品やサービスの特長はなかなか伝わりません。
大量に来ている問い合わせや資料請求がなくなってしまうのが不安で、なかなか掲載を止めることはできません。しかし思い切って打ち切ることで、極めて効率が悪いのにコストはかかるという悪循環から抜け出せます。営業担当が成果の出ない電話をかけ続けたり、大量の資料を作っては発送するのを繰り返して疲弊することもなくなります。そのコストや労力を自前で集客するプロモーションに振り向ければ、前向きなビジネスのスタイルに転換することができるのです。
消費者向けの一括サイトも広告効果は疑問
B2Bの一括サイトの問題点を指摘しましたが、B2Cの消費者向けビジネスでも広告を出稿する側のメリットはあまりないといえます。
よくあるのが飲食店の評価サイト、クーポンが使えるお店の紹介サイト、ランキングサイトです。
飲食店の評価サイトは、点数が低くてもおいしいところもあれば、高くても「?」という目に遭うこともあり、あまりあてにならないと多くの人が感じているのではないでしょうか。しかしその点数につい左右されてしまいます。高級店や味に自信のある店は、他の店と一緒にされたくないために、初めから掲載を敬遠するケースもあるようです。
クーポンサイトで多いのは飲食店、美容室やエステサロンです。このサイトのユーザーはクーポン目当てなので、往々にしてクーポンが使える初回の1回切りの利用で終わります。次はまた別の店でとクーポン巡りをしているので、固定客にはなってくれません。これではクーポンを発行して自腹を切った店の側が損をするだけです。
繰り返しますが、プロモーションの一環として一括サイトを使っても質の悪い反響しか得られません。その手間とコストをまっとうなウェブマーケティングの方に振り向けた方が、効果が出る可能性がはるかに高いことを強調しておきます。
後藤 晴伸
後藤ブランド 社長
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